大切な衣類に「水シミ」が!どうやって落とせばいい?


6月に入り関東もだんだん雨の日が増えてきています。
突然の雨に濡れてしまうことも多い季節ですが、大切な衣類にいつの間にかシミができていたら、それは「水シミ」かもしれません。

水シミ(ウォータースポット)とは?

水シミはウォータースポットとも言います。
衣類にシミがついてしまったように見える現象なのですが、食べこぼしや飲み物のシミと異なるところは、原因が透明な水ということ。
水シミによるシミは大きく3つあるのですが、いずれも水に濡れてしまったことが原因で発生します。

 

3つの水シミ

水シミが発生する3つのケースを見ていきましょう。

1.水を含んだ繊維の形状変化による水シミ


出展:東京都クリーニング生活衛生同業組合

衣類に雨粒や傘から滴り落ちた水滴がポタっと落ちることがありますよね。
このたった1滴の水滴が原因で水シミができることもあります。

繊維には水を含むと膨張するものがあり、こういった繊維に水滴が落ちてそのまま乾いてしまうと、膨張状態のまま繊維が固定されてしまいます。
実際に変色しているわけではないのですが、繊維が変形した状態で乾いて固定された部分に光が反射することで、シミになったように見えてしまうのです。

 

2.染料や加工剤が水で溶けることによる水シミ


色柄ものの衣類では染料が水に溶けることによって水シミになってしまうことがあります。
水溶性の染料で染めてある衣類に水滴がついてそのままにしていると、濡れた部分の染料だけが繊維から浮き上がってしまいます。
この状態で乾燥してしまうと、濡れていた部分と濡れていない部分の境目がシミになってしまうのです。

水溶性の絵の具が塗ってある紙に水をポタっと落とすと水滴に絵の具が溶けて、乾いたあと輪っかのようなシミができますが、あの現象と同じです。

また、繊維の質感や機能を高めるための加工剤が水滴で溶けることで水シミになることもあります。

このタイプの水シミは浮き上がってしまった染料や加工剤そのものがシミになって繊維に定着してしまっているので、ご家庭で落とすのは難しいかと思います。

 

3.大気中の物質による水シミ


空気中には車の排気ガス、セメントなどの粉塵、換気扇からの煙などさまざまな物質が漂っていますし、土埃なども舞っていることがあるでしょう。
雨粒にはこれらの汚れも含まれていて、衣類に付着してしまうと水分が蒸発した後に物質だけが残ってしまいシミになることがあります。

ちなみに、この大気中の物質の付着は雨に濡れてしまった洗濯物でも同じことが言えます。
ネット上で「雨に濡れた洗濯物はそのまま乾かせば大丈夫ですか?洗い直したほうが良いですか?」との質問を見かけることがありますが、できれば洗い直して欲しいと思います。(面倒ですけどね)

 

水シミが起こりやすい衣類とは?

特に水シミが起こりやすい繊維はレーヨンとシルクです。
シルクはわかりやすいかと思います。
レーヨンはさまざまな衣類に使われています。例えば、女性の光沢のあるカットソー、夏むけのサラッとしたブラウスなどでしょうか。
男性ものではスーツに用いられることも多いです。

また「レーヨン80%、ナイロン20%」のように混紡されていることも多いので、見た目ではわからないこともあります。
気になる衣類は洗濯表示を確認してみると良いでしょう。

 

水シミは防げるの?


衣類に水滴が落ちることはどうしようもないですよね。
水シミは水分が長時間繊維にとどまったまま乾いてしまうことで起こるトラブルなので、大切なのはできるだけ早く水分を拭き取ることです。
ゴシゴシ拭き取ってしまうと繊維の毛羽立ちの原因になるので、ハンカチやタオルで上から抑えて、水滴を移しとるように拭き取りましょう。

 

防水スプレーも効果的

水が染みないようにあらかじめ衣類に防水スプレーを吹きかけておくことも効果的です。
最初は衣類の裏側などの目立たない部分で試してみて、変色などが起きないことを確認してから全体に使うようにしましょう。

 

クリーニング店で撥水加工をする

クリーニング店の撥水加工では、洗濯した後の衣類の表面に水の分子よりも細かいコーティング材を付着させることで水を弾くようにします。
ご家庭向けの防水スプレーよりも価格は上がりますが、高い効果が長時間持続しますよ。

水滴がついてもコロコロと転がるように落ちていくようになるので、頻繁に洗うことができないブランドダウン、ブランドコートや、お気に入りのシルクワンピースなどを撥水加工しておけば、水シミだけでなく食べこぼしや飲みこぼしのシミもつきにくくなるのでメンテナンスもしやすくなります。

 

水シミができてしまったらどうすればいい?自分で落とせる?

水シミができてしまった衣類は、ご家庭で洗えるものであればまず洗ってみて下さい。
1度の洗濯だけで水シミが気にならなくなることもあります。

洗えない衣類や水シミが残ってしまった場合や、シルクやウールなど洗えないことはないけど自分で洗うことに不安がある衣類などはクレアンにご相談いただきたいと思います。
水シミを落とすために部分洗いしてしまったことで、さらに水シミの輪が広がってしまったケースもあります。
水シミができてしまったということはそもそも水に弱い繊維であったり、染料が落ちやすい衣類であることが考えられます。ダメージが大きくなる前にクレアンにご相談下さいね。

 

水シミはスニーカーや革靴にできることもある


水シミは衣類だけでなく、スニーカーや革靴でもよくおこります。
雨の日の次の日にスニーカーの先に輪ジミができていたら、それはおそらく水シミです。
この場合も、1度洗ってみて下さい。

革靴はちょっと困ってしまいますね。
水シミを防止するには、やはり濡れたらなるべく早く乾かすことが重要です。
乾かす方法はいろいろありますが、よく言われているのは新聞紙を靴の中に入れて立てかけておく方法です。

新聞紙が家にない私が濡れた靴を素早く乾かすためによくやる方法は、タオルで水分を取った靴を立てかけてサーキュレーターの風を当てること。
常温の風を当てることでストレスを与えることなく乾かすことができます。
なお、ドライヤーを靴に突っ込んで温風で乾かすのはN Gです。
革がひび割れてしまったり変形の原因になります。

乾いた革靴に水シミを発見したら、濡らして硬く絞ったタオルで靴全体を拭き取って再度乾かしてみてください。
それでも水シミが残っていたら、ご自分でのメンテナンスは難しいかと思いますので無理せずクレアンにご相談下さいね。

 

梅雨時期は水シミに要注意!

今回は水シミについてご紹介させていただきました。
水がシミになるなんて不思議に感じられるかもしれませんが、考えてみたら心当たりがある!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

水シミの特徴は、洗濯やずぶ濡れになるなど大量の水が付着することで起きるのではなく、繊維上にたったひとつぶの水滴が付着することで起こる可能性があるということ。
水シミを作らないためには水滴を拭き取ることが大切です。
洗うことができない衣類や水シミが落ちなかった革靴などはクレアンにお任せ下さいね。

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