洋服には複数の素材があり、素材によって取り扱い方法が異なります。洋服を長くきれいに着るためには、洋服の素材の種類とそれぞれの取り扱い方法を押さえることが重要です。
そこで、洋服の素材の種類とそれぞれの取り扱い方法について解説していきます。
洋服の素材とその取扱い方法
洋服にはどのような素材があるのか、またそれぞれどのように取り扱えば良いのか解説していきます。
綿
綿は洋服の王道とも言える素材で、もっともスタンダードな素材ではないでしょうか。吸湿性、通気性、耐久性に優れ、丈夫で洗濯に強いという特徴があります。基本的な洗い方は、弱アルカリ性の、合成洗剤もしくは石けんを使用し、40℃以下で洗濯機洗いします。色落ちしやすいものは、中性洗剤と水で洗います。
ひとことに綿と言っても綿にも種類があり、繊維の長さで短繊維、中繊維、長繊維の3つに分けられます。短繊維は繊維の長さが10~20mm程度のものです。繊維が丈夫という特徴からクッションや布団の詰め物に使用されます。
中繊維は繊維の長さが22~28mm程度のものです。綿で作られる衣類のほとんどは中繊維です。長繊維は繊維の長さが29~38mm程度のものです。長繊維は綿の中で1番高級品とされていて、シルクのような肌触りです。
麻
麻は丈夫で熱や洗濯に強く、吸湿、発散に優れています。基本の洗い方は弱アルカリ性の、合成洗剤もしくは石けんを使用し、40℃以下で洗濯機洗いです。ちなみにリネンは麻の一種です。
麻はリネンの他には、ラミー(苧麻・ちょま)、ジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)などが有名です。それぞれ特徴や用途が異なり、リネンやラミーは衣類やタオルのような日用品に、ジュートはカーペット基布や麻袋などに、ヘンプはロープや衣類といったものに使用されています。
日本の家庭用品品質表示法ではリネンとラミーの2種類のみが麻表示を許可されており、他の麻繊維は植物繊維と表記するため、洋服などで麻と表示される場合はリネンかラミーが原料のものです。
絹
絹は天然繊維の中で、日本で生産される唯一の原料です。蚕の繭から取った動物原料です。軽くて丈夫、柔らかい、光沢感がありしなやかな風合い、保温性と吸湿性に優れているなどの特徴があります。
デメリットとして、家庭での洗濯が困難であること、シミになりやすい、光に当たることで変色しやすい点が挙げられます。絹は日本で生産されていることはもちろん、アジアではベトナム、タイ、カンボジアなども有名です。
衣料でシルク製は高級とされる傾向があります。また、高級ブランドの衣類に使用される傾向があります。
絹は基本的に洗濯機NGで、手洗いで優しく洗います。可能であればクリーニングに出すことをおすすめします。どうしても自宅で洗いたい場合は、以下のような流れになります。
①洗浄液をつくる
洗い桶に20度前後のぬるま湯を用意し、洗剤を溶かします。
②洗う
広げた状態の衣類を裏返しにして両手でふわっと持ち、洗浄液の中を泳がせるように左右に動かします。汚れが気になる部分はスポンジでポンポンと叩きます。長時間水にさらしておくと生地の劣化を招く恐れがあるので、短時間で洗った方が良いです。
③すすぐ
洗浄液を捨て、洗い桶に新たに20度前後のぬるま湯を入れます。そこに衣類を入れ、洗浄時と同様に優しくすすぎます。水を3回ほど取り替え、洗剤を落とします。
④脱水
シルクは摩擦に弱いので、脱水は軽く水を切る程度が良いです。ある程度水気を切ったら、広げたバスタオルの上に置いて水分を吸わせてください。
⑤干す
シルク製品は必ず平干しをしてください。ハンガーにかけたり洗濯ばさみで留めたりすると、形崩れの原因になってしまいます。また、シルクは紫外線を吸収する性質があるので、直射日光のもとに干すと色落ちする恐れがあります。直射日光の当たらない風通しの良い場所に干すようにしてください。
ナイロン
ナイロンは丈夫で軽く、しわになりにくい素材です。ただし熱には弱いので、乾燥機は使用しない方が良いです。ナイロンの基本の洗い方は、弱アルカリ性の合成洗剤を使用し、40℃以下で洗濯機洗いです。
おしゃれ着は中性洗剤を使用して、おうちクリーニングコースなどで洗います。ナイロンと似ている化学繊維として、ポリエステルやレーヨンが挙げられます。世界でもっとも生産量の多い合成繊維がポリエステルで、2番目に多いのがナイロンです。
ポリエステルとナイロンを比較すると、ナイロンは繊維自体に伸縮性があり、伸度はポリエステルよりも優れているのが特徴です。レーヨンは厳密には合成繊維ではなく再生繊維に分類されます。
レーヨンは吸湿性が高く静電気が起こりにくいというメリットがありますが、水に弱いという欠点があります。
ポリエステル
ポリエステルは丈夫で軽く、しわになりにくい素材。摩擦にも強いという特徴があります。ポリエステルの洗い方は、弱アルカリ性の合成洗剤または石けんを使用し、40℃以下で洗濯機洗いです。
汚れを吸収しやすく落ちにくい、という欠点があるので、他のものと一緒に洗うのは避けてください。
ポリエステルが衣服に使われる場合は、綿素材と混紡されることが多いです。その理由は、ポリエステルの強みが、混紡することでシワができにくくなるからです。
何度洗っても型崩れしにくく、座りシワなどができにくい素材なので、長時間の移動やデスクワークなどの普段使いにぴったりの素材です。また、収縮なども起きにくいため、長期間劣化せずに使用できるのもメリットになります。
カシミア
カシミアはとてもデリケートな素材なので、おうちクリーニングコースなどの優しく洗う洗濯方法がおすすめです。カシミアは中性洗剤を使用し、裏返して洗います。
カシミアとは、カシミアヤギから採取した毛です。カシミアヤギは、その表面は粗毛で覆われており、その下に柔らかいうぶ毛があり、このうぶ毛がカシミアと呼ばれています。
カシミアヤギは、厳しい冬を生きるために、寒くなるとこの柔毛が生えてきて、春になり暖かくなると、春の毛へと生え変わります。自然の厳しい寒さに適合するために生えた珍しい特殊な素材なので、保温、保湿性に優れ、軽くて柔らかい肌触りと光沢のある上品な風合いが特徴です。
ウール
ウールは水につけると縮みやすいという特徴があります。ウールの洗い方は、中性洗剤を使用します。理由は、洗いからすすぎまで、一定の水温(30 ℃以下)で手早く洗う(縮みを防ぐため)です。
ウールとは、羊の毛を素材にしたもののことを指しますが、厳密にいうと、羊毛以外にもアルパカやアンゴラ、カシミアなど、他の動物から取れる毛もウールと呼ばれます。羊毛以外はそれぞれの名前で表記されることが多いので、ウールと表記されているものはほとんどが羊毛なのです。
困ったときは、クレアンまでご連絡ください
洋服の素材の種類、素材別の取り扱い方についてご紹介しました。同じ素材であっても服によって丈夫さは異なります。しかし概ね今回ご紹介したことを把握しておけば、市販の衣類の大半はどのように扱えば良いのかわかるはずです。
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