バブアー、ベルスタッフ、バーバリーなどのオイルド(ワックス)ジャケット・コートのスペシャルケア

オイルドジャケットのクリーニング&再オイル加工(リプルーフ)

英国生まれのバブアーのオイルドジャケット・コートは、ファッションにこだわる人なら、あのしっとりとした手触り感がたまらないといいます。
生地の表面にオイルを塗り込むことで表面に光沢と防水性、保温性を持っているという機能面だけでなく、世界のアウトドア・ライフスタイルブランドとして高い評価を受けています。

着用時の注意

しかし、表面のオイルのせいで他の衣服や身の回りのものにオイルが移ってしまう場合があったり、満員電車や自動車などの乗り物に乗る際には着用を避けたりしなければならず、着用にも気を使うこともしばしばです。

オイルの経年劣化で生じる匂い

そして、その生地は油が塗り込まれているせいで、汚れを吸着しやすく、その汚れが劣化した油分と混じり合って、特有の臭いが出てきます。


またお手入れも難しい。表面についた汚れを落とすのに洗剤を使うと、オイルが取れてしまうというリスクがあり、ブラッシングをしてホコリを払うぐらいでお手入れも十分にできません。

オイルド(ワックス)ジャケット・コートは、洗濯できない、クリーニングできない?


そして、洗濯表示がすべてバツなので、洗濯もできません。クリーニング店に持っていっても、ほとんどが断られてしまうこともあり、長くクリーニングしていないオイルドジャケットは、かなり汚れてきます。

まずはクリーニングでオイルと汚れ除去

再オイルド加工(リプルーフ)をするためには、まず汚れのついたオイルを除去しなければなりません。
オイルド(ワックス)ジャケット・コートのクリーニングです。

洗い方にはふたつの方法があります。一つは洗浄力の強い洗剤で洗う水洗いです。
汚れのひどいものなど、オイル以外の汚れを取るのに適しています。


もう一つは、ドライクリーニング、溶剤は油性ですので、劣化した油分をよく取ってくれます。
これらは、品物のオイルや汚れの状態を職人が見極めて、判断しています。


洗い終わったらじっくり自然乾燥です。機械による高温乾燥は縮んだり生地を痛めることもあるので、時間がかかっても自然乾燥を選びます。

そして、リプルーフ(再オイルド加工)

そしてここからがリプルーフ(再オイルド加工)です。

オイルド(ワックス)ジャケット・コートのオイルは、石油由来のオイル・ワックスが使われており、
油の経年劣化によって、古い機械油のような匂いに変化します。

2つのオイル

そういう経験から、不純物を除去し、化粧品などにも使われている高度に精製された特殊なオイルと植物由来のオイルを2段階で塗布しています。これらは耐久性に優れ、劣化しにくいオイルです。


1回目の化粧品などにも使われているオイルは比較的さらっとしていますが、オイルドコート特有の濃色感の風合いを出すためのものです。
そして2回目の植物由来のオイルで、オイリーな湿った風合いを出すために仕上げの加工です。

いろいろなコットンクロスでオイリーな感触を楽しむリプルーフ


オイルドジャケットといえば、バブアーが有名ですが、他にもベルスタッフ、バーバリーなどがあり、コットンクロスのジャケット・コートならどんなものでもリプルーフでき、それを楽しむユーザーも多くいます。


オイルが生地に十分に馴染んだあと、最後のアイロン仕上げです。表地は、蒸気の力で形を整え、シワのある箇所は直接アイロンで修正します。裏地を整えてクリーニング&再オイル加工(リプルーフ)完成です。