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初めてオイルドジャケット、コートを購入する方のために
参照:https://store.shopping.yahoo.co.jp/s-musee/300911228.html
イギリスをはじめ、欧米各国で人気のオイルドジャケットやオイルドコート。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、トラディショナルなファッションが好きな方や、アウトドアが好きな方は、ご存知だと思います。実用性に優れていて、適切なメンテナンスをしていれば、一生モノとも言われる、このアウターがどのようなものなのか解説していきましょう。
冬に働く人達のために開発されたワーキングウェア
オイルドジャケット・オイルドコートの原点は、イギリスの漁師や港湾労働者が防寒のために着るワーキングウエアです。イギリスの冬は雪こそ少ないものの、かなり寒く、特に海沿いでは冷たい風が強く吹く傾向にあるようです。そのような厳しい気候の中で、寒さに耐えながら仕事をするために開発されたのがオイルドジャケット・オイルドコートなのです。
1800年代の終り頃にに開発されたと考えられていて、厚手の生地にオイルを塗り込むことによって防風の効果と防水の効果を発揮して、屋外での仕事や漁に出ても快適に動くことができると、働く人々に多大な人気を誇りました。当時はワーキングウエアという認識が強かったのですが、その実用性から現代ではファッションアイテムとしても認められています。
アウトドアで着ることが基本、街中で着る場合には注意が必要
近年、オイルドジャケット・オイルドコートは、ファッションアイテムとしても人気が出ていますが、あくまでもアウトドアで着ることが基本となります。防寒や防水性に優れているという、実用面の理由もありますが、実は街中での着用にはかなり気を使う必要があるのです。
それは、生地に塗り込まれたオイルが触れたものに付着してしまう可能性があるからです。もちろん、少し触れたくらいでなにか変化があるわけではないですが、例えば着用したまま満員電車に乗れば、周囲の人の衣服にオイルが付着してしまう可能性があります。また、混雑していなくても座ったシートやタクシー、出先で上着を預ける場合など、周囲に迷惑をかけてしまうことがありますので、注意が必要です。
オイルドジャケット・コートと言えばBARBOOUR(バブアー)
参照:https://jamtrading.jp/blog/mens/2020/10/30/16069/
オイルドジャケット・オイルドコートは、特定のブランドが製造しているアイテムではなく、さまざまなメーカーでつくられています。主要なところでは、ベルスタッフやバーバリーなどイギリスの有名ブランドや、フィルソンやラルフローレンなどのアメリカブランド、ウエストミッドランドアウターウェアといったファクトリーブランドなどです。しかし、オイルドジャケット・オイルドコートと言えば、まず初めに名前が出てくるのが、イギリスのブランドであるバブアーでしょう。
ワックスドジャケットから始まったイギリスの伝統的なブランド
バブアーではオイルドジャケット・オイルドコートをワックスドジャケットと言います。1894年、創業者のジョン・バブアーがイギリスの港町サウスシールズで創立したバブアーは、港湾労働者のためにワックスドジャケットの提供をはじめました。
当時、イギリス北東部では、唯一のオイルドジャケットを取り扱う商店だったようで、その品質の高さも評価され、大きく売上を伸ばしていきました。
現在では、アウトドア衣類を中心に、メンズ、レディース、キッズ、ペット用に至るまで幅広くアイテム展開をして世界40カ国以上で販売を実施するなど、大きく躍進しています。一方では、ファミリービジネスを堅持していて現在は5代目のマーガレット・バブアーが企業を統括して、120年以上経った現在でも創業の地であるサウスシールズに拠点を置いています。
イギリス王室からも評価された高品質
バブアーが高く評価され、地方のアパレルメーカーから世界的なブランドになったきっかけは、第一次、第二次世界大戦でのイギリス軍への防水服の提供です。特に第二次世界大戦では、潜水艦ウルスラ号の搭乗員服として採用され、その機能性は高い評価を受けています。
また、モーターサイクルの世界でもバブアーは高い評価を受けています。1936年には、オイルドコットン素材を使用した、モーターサイクル仕様のライダース・ジャケット「インターナショナル」を開発し、同年から1977年までイギリスのインターナショナルチームが採用しています。
そして、同ブランドの品質の高さはイギリス王室でも認められました。1974年にエディンバラ公フィリップ王配(エリザベス女王の夫)、1982年にエリザベス女王、1987年にはチャールズ皇太子から、それぞれロイヤルワラントの認定を受けています。ロイヤルワラントというのは、言わば王室御用達ということ。ただし、日本とは違い、イギリスでは王族個人がロイヤルワラントを認定します。そして、イギリスでロイヤルワラントを認定できる王族は、上記の3名のみ。つまり、バブアーはすべてのロイヤルワラントを獲得して、3つの紋章を使用する事ができる希少なブランドなのです。
オイルドジャケット・コートの人気アイテム
オイルドジャケット・オイルドコートも、現在はタウン着として楽しむ人も多く、さまざまなデザインがあります。同アイテムのパイオニアであるバブアーから、3種類のデザインを紹介しましょう。
ビデイル
ビデイル 参照:https://jamtrading.jp/blog/mens/2020/10/30/16069/
乗馬用のジャケットとして開発されたビデイル。ショート丈でほかのアイテムと合わせやすいことから、タウンユースをするユーザーからも人気があります。
もちろん、機能性は抜群で、防風のために顎を覆う「チンストラップ」と、襟を立てても肌に優しいコーデュロイ素材を採用しています。また、袖口にはニットのリブが付いていて、こちらも防風の効果を発揮します。
ビューフォート
ビューフォート 参照:https://jamtrading.jp/blog/mens/2020/10/30/16069/
ビューフォートは、ハンティング用に開発されたモデルで、前記のビデイルよりも着丈が10センチほど長くなっています。大きな特徴は、ゲームポケットという大きなポケットで、本来はハンティングで仕留めた水鳥などの獲物を入れるためにつくられたそうです。タウンユースの場合には、小さなバッグ代わりとして新聞などを入れている人もいるとのことです。
そのほか、小さなポケットも多数あり、手がかじかんだときに温めるハンドウォーマーポケットもあることも、本格的なアウトドアジャケットとしての特徴でしょう。
インターナショナル
インターナショナル 参照:https://jamtrading.jp/blog/mens/2020/10/30/16069/
先にご紹介した、イギリスのモーターサイクルチームで長年活躍してきた、ライダースジャケットの元祖とも言えるモデルです。レザーではなく、バウアー社のオイルドコットンを使用しており、ほかのモデルに比べて非常に生地が厚く、防水性や耐久性に優れています。
ポケットの位置やベルトなど、モーターサイクルに最適化されていて、なおかつ、非常にデザイン性の高い点が現在でも人気となっています。
1964年には、ハリウッドの名優、スティーブ・マックイーンがアメリカ代表でバイクレースに参加した際もこのインターナショナルを着用していました。
オイルドジャケット・コートのメンテナンス
オイルドジャケット・オイルドコートは非常に機能性が高く、耐久性にも優れています。しかし、特殊な製法で製造されているために、メンテナンス方法や着用にも注意点があります。
ほかのアウターとは違う注意点
前述のとおり、オイルドジャケット・オイルドコートはほかのアウターと違い、生地にオイルを塗り込むことにより防風、防水を実現しています。そのため、オイルがほかの衣類などに付着してしまうこともあるので、注意が必要です。
ただ、以前よりは大幅に改良されていて、少し気をつければタウンユースにも十分耐えられるレベルと言えるでしょう。昔のものは、オイルの匂いなども気になっていましたが、現在ではあまりそのようなことはないでしょう。
オイルドジャケット・コートは基本的に洗えない
オイルドジャケット・オイルドコートのメンテナンス方法としては、「拭く」ということになります。タグを見てもらえばわかると思いますが、このアウターは「洗えない衣類」なのです。
理由は塗り込まれたオイルにあります。クリーニングをしてしまえば、オイルも落ちてしまい、機能性が損なわれます。ですから、多くの場合汚れを拭くだけにして、経年変化も風合いと捉えオイルが抜けたらリプルーフ(オイル加工を再度おこなうこと)して長年使用するのが、本場イギリス流だと言われています。
しかし、タウンユースが主流になってきた現代では、やはり汚れは洗って落としたいという方は多いでしょう。そこで、一部のプロフェッショナルなクリーニング業者では、オイルドジャケット・オイルドコートをクリーニングするところも出てきました。
プロが実施する洗い方とは?
クリーニングのコンシェルジュであるクレアンでも、もちろんオイルドジャケット・オイルドコートのクリーニングをおこなっています。汚れの度合を見ながら、オイルを取ってしまう方法と、少し残して水洗いをする方法を選びます。そして、どちらの場合も、ご希望によりリプルーフ加工もおこなっています。
クレアンのリプルーフ加工は非常に繊細で丁寧におこなわれます。特別調合をした植物由来 の2種類のオイルを複数回塗っています。乾燥と塗りを繰り返しおこない、その作業日数はなんと40日間、集中力と継続性というプロフェッショナルな技術が求められる作業です。
クレアンだからこそ実現できる高いクリーニング技術は、オイルドジャケット・オイルドコートはもちろんですが、そのほかの特殊衣類でも対応可能です。クリーニングのことでお困りの方は、ぜひ、一度ご相談ください。