類まれなる2人の才能が誕生させた、比類なき個性派ブランド～ドルチェ&ガッバーナ～

このページの目次

1 すべては、才能あふれる青年2人の出会いから始まった
2 「セクシー」を上品でラグジュアリーに表現したブランド
3 ドルチェ&ガッバーナのアイテムとその特徴
4 ブランド品のクリーニングは、経験豊富な業者へ

すべては、才能あふれる青年2人の出会いから始まった

左ステファノ・ガッバーナ、右ドメニコ・ドルチェ　出典：https://www.fashion-headline.com/article/3501

ドルチェ&ガッバーナは、ブランド名にある通り2人のデザイナーが立ち上げたブランドです。ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナ、すべては、この2人の青年が出会ったことから始まっていきます。

ミラノでの出会い

ドメニコは1958年パレルモの生まれ、ステファノは1962年ミラノに生まれています。2人の出会いは1980年頃のミラノでした。偶然にも同じファッションデザイン事務所で同僚となった2人は、同じチームでの仕事を通じて、意気投合することになります。ドメニコは勤務して間もなく18ヶ月間の兵役に就きますが、すでに2人はパートナーの関係にあり、1982年にドメニコが帰還すると、2人は共同でデザインコンサルタントの事務所を開設します。
事務所開設当初、ビジネスに不慣れな2人は、請求書などの書類をそれぞれの名前で発行していたようです。しかし、それでは効率が悪いという事務担当者からの提案で、2人の連名で「ドルチェ&ガッバーナ」として発行するようになったといいます。後にこの連名が、ブランド名になっていきます。
しかし、事務所のビジネスはなかなか軌道に乗ってくれません。2人の才能はファッション業界に認められるものの、売上は伸び悩み、資金繰りにも苦労する程でした。

あのトップアーティストがドルチェ&ガッバーナを世界の舞台へと導いた

苦しい中でも、地道にコレクションを発表し、積極的な店舗展開を続けた結果、ニューヨークなどへの海外進出も果たし、知名度も少しづつ上昇していきます。しかし、1980年代の時点でドルチェ&ガッバーナは、少なくとも「世界的」とか「ハイブランド」というイメージはあまりなかったといえるでしょう。
そのイメージを大きく変えて、世界的な知名度を獲得する出来事が1991年に起こります。それは当時すでに世界的なトップアーティストとしての地位を得ていたマドンナが、自身のドキュメンタリー映画「イン・ベッド・ウィズ・マドンナ」がきっかけでした。マドンナは、カンヌ映画祭のプレミアム試写会という非常に注目度の高い場面で、ドルチェ&ガッバーナの宝石をあしらったコルセットとジャケットを着用していたのです。
これをきっかけに、ドルチェ&ガッバーナというブランドは、世界中に知れ渡ります。特にマドンナとは、その後も世界ツアーやアルバムの衣装を担当するなど、コラボレーションを継続して、さらに知名度を上げることに成功しています。マドンナとドルチェ&ガッバーナの「セクシー」というイメージ戦略が相互作用によって、より高めあったと言えるでしょう。

世紀末から21世紀にかけて、最も輝いたブランド

マドンナとのコラボレーション以来、ドルチェ&ガッバーナは世界的なハイブランドとして認められるようになります。同じくイタリアのブランドで世界に認知されていた「ジョルジオ・アルマーニ」や「ジャンニヴェルサーチ」などと肩を並べるほどの評価を得るようになったのです。
21世紀になってもブランドの勢いは、まったく衰えません。マドンナのほかにも、カイリー・ミノーグやホイットニー・ヒューストン、ビヨンセなどのトップスターたちが、ドルチェ&ガッバーナの衣装を競うように着用しています。
さらには、ファッション業界やプレスからの高評価も続きます。アメリカの著名雑誌ザ・ニューヨーカーでは、1980年代をアルマーニ、90年代をプラダの時代と評し、2000年代はドルチェ&ガッバーナの時代だとも書いています。また、GQ誌では2003年に「メン・オブ・ザ・イヤー」、エル誌では2004年度の「ベスト・インターナショナル・デザイナー賞」を受賞。21世紀のブランドとしての地位を獲得したのです。

「セクシー」を上品でラグジュアリーに表現したブランド

出典：https://apparel-web.com/news/apparelweb/116882

ドルチェ&ガッバーナと言えば、「セクシー」なイメージを連想する人も多いでしょう。あくまでも上品に「セクシー」を表現して、世界のセレブたちにも支持されています。その比類なきデザインコンセプトは、2人のデザイナーが持つ大いなる才能によるものです。

「2人」で創り出すドルチェ&ガッバーナのデザイン

ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは、気質が正反対とも言われるほど異なるようです。ドメニコは謙虚で控えめな性格で、ステファノは、社交的で積極的な性格だと言われています。
この気質が異なる2人は、デザインをするときに、お互いのアイデアをとにかくどんどん出し合うそうです。その中から取捨選択をしていき、ブラッシュアップされたものを商品化していくという手法をとっています。お互いに意見を聞き、ときには対立することによって、さらにハイセンスなアイデアに昇華させていくのでしょう。
事実、ドルチェ&ガッバーナのデザインは、ほかのブランドにはない個性的なものです。セクシーでいて、軽やか。トラディショナルな要素を取り入れながらも、革新的。その比類なきコンセプトは、2人のデザイナーでなければ創り出せないものなのです。

ファッションにとどまらないコラボレーション

ドルチェ&ガッバーナは、アパレルの他にもバッグや財布などの小物類や香水など、さまざまなアイテムを展開していて、そのいずれも高い人気を得ています。
また、その活躍の場はファッション業界にとどまりません。自動車メーカーのシトロエンとは「Citroën C3＆C3Pluriel D＆G」というドルチェ&ガッバーナがデザインしたコラボレーションカーがあります。モトローラーとは携帯電話のコラボ、酒造メーカーとはボトルデザインのコラボと、さまざまな分野に挑戦しています。少し変わったところでは、音楽家としてCDも発売、デザイナーだけの活動にとどまらず、かなり積極的に人前に出て活動をすることも多いようです。

大いなる才能の持ち主だが、舌禍を巻き起こすことも

ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナの2人は、類まれなる才能を持つ天才的なデザイナーですが、あまり熟慮をしないで発言をしてしまうことがあり、失言と捉えられてしまうことも多くあります。
2015年には、雑誌のインタビューで同性婚をしている家庭に養子を受け入れることに対して、否定的な意見を述べています。これに、自身も同性婚で養子を育てている世界的な歌手、エルトン・ジョンが猛反発。ドルチェ&ガッバーナの不買運動にも繋がりました。ドメニコとステファノも同性パートナーとして長年過ごしていますが、養子に対する価値観が多くの人と違っていたようです。彼らは自分たちの意見を表明しただけとコメントを出しています。
また、記憶に新しい出来事では、中国での炎上です。これは、ブランドのプロモーションビデオで、アジア系の女性が箸でイタリア料理を食べると言うシーンで、アジア系への侮蔑やハラスメントがあったと批判されたことが発端です。ドルチェ&ガッバーナでは過去にもアジア系の発言が問題視されていたこともあり、上海でのショーに出演予定のモデルや招待客は全員がショーをキャンセル、ブランドの売上は、中国市場で大きく低下しました。
もちろん、差別的な考えは許されないことですが、2人の場合、あまり意識をせずについ、過剰な言葉が出てしまう傾向が強いようです。

ドルチェ&ガッバーナのアイテムとその特徴

ドルチェ&ガッバーナでは、数多くのアイテムを展開しています。そのすべてにコンセプトの統一感があるため、トータルで揃えるファンも多くいます。

香水

出典：https://www.shiseido.co.jp/sw/c/products/SWFG070410.seam?shohin_pl_c_cd=838502&online_shohin_ctlg_kbn=1

多くのラグジュアリーブランドではブランドの統一感を演出するために、香水を展開しています。ドルチェ&ガッバーナもその例外ではなく、多くの製品を発売しています。日本では2020年に「香水」という歌がヒットして、ドルチェ&ガッバーナというブランド名が歌詞に出てきたため、大きく売上を伸ばしました。もちろん、世界的にも人気があり、各種の賞も受賞しています。

Tシャツ

出典：https://www.buyma.com/item/70166140/

ハイブランドを気軽に着られるという意味でも人気があるのがTシャツです。ドルチェ&ガッバーナのTシャツは無地のシンプルなものから、ロゴが大きくあしらわれているものまで、さまざまです。もちろん、普通のTシャツではなく、品質にもこだわったものですから、着心地も良好です。

スーツ

出典：https://www.gqjapan.jp/fashion/news/20161104/suit-legends-dolce-and-gabbana

ドルチェ&ガッバーナでスーツと言うと、意外に思うかもしれませんが、隠れた人気アイテムと言っても良いでしょう。特徴は、細身のシルエットで、スタイルがさらによく見える効果も期待できます。
また、生地はドルチェ&ガッバーナのオリジナルを使用、独特の光沢や素材感が味わえます。一方で、普通のスーツとは違い、メンテナンスには気を使う必要もあります。