パートナーと共に成功への道を駆け上がる
参照:https://www.omotesandohills.com/shops_restaurants/shops/002666.html
「ヴァレンティノ」を創業したヴァレンティノ・クレメンテ・ルドヴィーコ・ガラヴァーニは、1932年にイタリア半島の付け根であるヴォゲーラという街で生まれました。このアートからファッションまで幅広い分野に興味を持っていた少年が立ち上げたブランドは、後に「イタリアンファッション」の先駆けとして、世界中を席巻するようになります。ヴァレンティノが世界的なブランドになるまでのストーリーをご紹介していきましょう。
ファーストコレクションをフィレンツェの宮殿で開催
ヴァレンティノは18歳になると、ファッションデザインを学ぶためにパリへと渡ります。すると、すぐに彼の才能は開花し、国際羊毛事務局のファッション・デザイン・コンテストで優勝、オートクチュールの世界で修行を始めました。そして、1959年、父親の援助もあり、「ヴァレンティノ」を設立、独立をはたすのです。
1962年、ヴァレンティノのファーストコレクションは、センセーショナルにおこなわれました。会場はイタリアの古都フィレンツェにあるピッティ宮殿。北イタリアを治めていたトスカーナ大公が使用していた500年以上の歴史がある建造物です。このコレクションには、ヴォーグをはじめとした多数のプレスも集まります。そして、多くのバイヤー達もコレクションを見守っており、ショーの開催から1時間後にはすべてのコレクションが完売したともいわれるほど、大成功を納めました。このファーストコレクションから、ヴァレンティノは世界に注目されていくのです。
パートナー、ジャンカルロ・ジャンメッティの存在
ブランドの立ち上げから世界的な成功まで、デザイナーとしてのヴァレンチノには公私にわたるパートナーが存在しました。それが、ジャンカルロ・ジャンメッティです。
彼はブランドの立ち上げ時から働いていた、建築を学ぶ学生でした。ヴァレンティノは、ほかの偉大なデザイナーと同様に経営面には疎かったようで、ファーストコレクションの前に金銭的な危機に陥ったといいます。それを救ったのがジャンカルロでした。彼は経営的なセンスを持っており、ヴァレンティノを経営という足かせから開放して、デザイナー本来の創造性だけを追求できるようにしたのです。
世界的なブランドであるヴァレンティノが生まれ、現在でも継続しているのは、デザイナーであるヴァレンティノの功績はもちろんですが、ジャンカルロのアシストがなければ成し得なかったと言われています。
イタリアファッションが世界を席巻する
ファーストコレクションで世界的な注目を浴びたヴァレンティノは、それまでオートクチュールの中心であったパリのデザイナー達を凌駕するほどの人気を博していきます。「ファッションと言えばパリ」という常識を覆して、イタリアファッションを世界に知らしめる端緒をつくったのです。特に1970年代から80年代にかけては、封建的なことで知られるフランスのファッション界でも、ヴァレンティノの実力は認められるほどでした。また、同時期にアルマーニやグッチなど、ほかのイタリアブランドも台頭すると、イタリアファッションの人気は世界的なものになっていくのです。
そして、世界的なセレブがヴァレンティノの服を好んだことも、ブランドの成功につながります。代表的な貢献者は、ジャクリーン・ケネディとエリザベス・テイラーでしょう。ジャクリーン・ケネディは、ヴァレンティノの友人でもあり、夫であったケネディ大統領の暗殺後、ギリシャの富豪アリストテレス・オナシスと再婚したウエディングドレスは、ヴァレンティノの手によるものでした。また、伝説的な大女優エリザベス・テイラーもまた、ワールドプレミアなどのときにヴァレンティノのドレスを身に着けていたのです。
企業としては買収の対象に
1970年代から80年代まで、全盛期を謳歌したヴァレンティノも、時代の趨勢には逆らえませんでした。1998年には、ほかの多くのラグジュアリーブランドと同様に、コングロマリット(企業共同体)の傘下に入ります。ただ、ヴァレンティノ自身もマネジメントを担当していたジャンカルロ・ジャンメッティも、ブランドに残っていたため、大きく方針が変わることはありませんでした。
しかし、企業の買収はそれだけにとどまらず、その後2回資本の変更を経験します。そして、3回目の買収劇の渦中である2008年に、創業者であるヴァレンティノはデザイナーを引退。大きな転換期を迎えるのです。
オリジナリティを貫くヴァレンティノスタイル
ヴァレンティノ 参照:https://www.fashion-headline.com/article/12861
ヴァレンティノのデザインは、「ヴァレンティノレッド」と呼ばれる赤を基調としたデザインなど、独創的なものです。世界的なトレンドとなったヴァレンティノのスタイル、そして、現在のヴァレンティノの特徴などを見ていきましょう。
ヴァレンティノレッド
「ヴァレンティノレッド」とは、特定の色を指すわけではありません。デザイナーのヴァレンティノが赤を好んだこともあり、多くのコレクションのなかで、白と黒の組み合わせに差し色として赤を効果的に入れたことから、そう呼ばれるようになりました。
白と黒、そして赤。卓越した色彩感覚で構成されたコレクションは、衝撃を持って迎えられました。基本は白と黒をベースにしていたのですが、あまりにも赤の衝撃が強かったため、ヴァレンティノ=赤というイメージが大きくなったと考えられます。
トレンドを追うのではなく、トレンドを創る
多くのブランドはトレンドを追ってデザインコンセプトを決めていきます。それは市場が求めているものを取り入れるという事ですから、ブランドとしては当然のことと言えるでしょう。
しかし、ヴァレンティノは、ときにトレンドとは逆のコンセプトを発表して、新たなトレンドを創るという常識では考えられないことをやってのけます。
例えば、1970年代に空前のミニスカートブームが訪れたとき、ヴァレンティノはスカート丈をあえて長くしたコレクションを発表します。周囲には疑問の声も多く聞かれたのですが、結局数シーズン経過した後にはヴァレンティノが提唱したロングスカートのブームが到来するのです。トレンドを追うのではなく、トレンドを創り出す、それがヴァレンティノのコンセプトと言えるでしょう。
現在のヴァレンティノ
創業者のヴァレンティノが去った後、ブランドデザイナーとして働いていた、マリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリがクリエイティブディレクターとなりました。そして、2011年に発表されたのが、今やヴァレンティノのアイコンとも言える「ロックスタッズ」です。スタッズとは、飾りボタンや鋲といった意味で、ヴァレンティノが展開するロックスタッズは、バッグやシューズ、ウェアに金属の鋲を散りばめたロックテイストなデザインです。
もちろん、伝統的なクチュールブランドであるヴァレンティノが、ロックテイストのデザインを展開することにはさまざまな意見がありました。しかし、ロックスタッズのラインは若年層の人気を得て、大きく売上を伸ばしていきます。
現在のヴァレンティノは、デザインこそ大きく変化しましたが、「トレンドを創り出す」というブランドの精神はそのままに、現代に沿ったトレンドを創り出しているのです。
ヴァレンティノのアイテムとその特徴
現在でも独自のトレンドを創り出しているヴァレンティノ。注目されるブランドの人気アイテムを紹介します。
ロゴ入りアイテム
参照:https://fashion-basics.com/valentino-sweat10-50341
ブランドウェアでは定番で、多くの人気を集めるロゴ入りアイテム。ヴァレンティノでも、もちろん人気です。Tシャツやスェットなど、価格も手頃で、気軽に着られるものが特に人気を博しています。
ロゴの種類も多彩で、Vのマークが大きく入った、インパクトのあるデザインや、一見するとロゴがわからないようなものまで、好みによって選ぶことができます。
バッグ
参照:https://mensbag7.net/valentinogaravani/
現在のヴァレンティノになってから、特に人気なのがバッグ。前述の通り、さまざまなスタッズを施したバッグが多く展開されています。使用される革は、イタリアブランドだけあって、上質なものを厳選して使用しています。
シューズ
参照:https://precious.jp/articles/-/5665
シューズでも人気のラインはロックスタッズを施したもの。特にレディースはフラットシューズやサンダルに人気があります。デザインも個性豊かで、使用している素材も厳選された上質なものです。
ただ、注意したいのはお手入れ方法。普通のシューズでもお手入れは難しいと言われますが、ヴァレンティノのシューズは異なる素材が組み合わさっていることも多いので、メンテナンスにも注意が必要です。
高級シューズは適切なメンテナンスが肝心
シューズは思いの外、汗などを吸い取って蓄積しているものです。また、水濡れや靴底の傷みなど、気をつけていてもいつの間にか劣化が進んでしまうこともあります。長く履き続けるためには、適切なメンテナンスが必要です。
大切なシューズを守るためには信頼できる業者でのメンテナンスを
クレアンのシューズクリーニングは、丁寧な手洗いが基本です。見過ごされがちな靴底から初めて、専用の溶剤などを使用してクリーニングしていきます。
また、色あせなどに対するリカラーや型崩れ、水漏れなどの修理にも対応しています。シューズに関するお悩みも、ぜひ、クレアンにご相談ください。