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グッチ、イブ・サンローランと世界的なブランドを再生
トム・フォード 出典:https://eiga.com/person/85032/
トム・フォードは、1961年にアメリカのテキサス州で生まれた世界的なデザイナーです。グッチを初めとする、有名ブランドの再生をおこなったことで、一躍世界に名を馳せて、2005年にはブランドとしての「トム・フォード社」を立ち上げています。まず、彼が世界的に認められるまでの軌跡を見ていきましょう。
さまざまなことに興味を持つアメリカの青年
トム・フォードの鋭い感性は、大学に通っていたニューヨークで磨かれました。彼がニューヨークにいた時代は、ミラノからアルマーニやジャンフランコ・フェレなどイタリアファッションの波が押し寄せ、地元アメリカでもラルフローレンやダナキャランなどが隆盛を極めていました。
ニューヨーク大学で美術史を学びながら、トム・フォードは1980年代に起きた新しいファッションの波を体感したことでしょう。次第にファッション業界に対して憧れを抱くようになり、自分の将来の指針として考えるようになっていきます。特にこの時代にニューヨークにおいてイタリアファッションが台頭してきたことは、後に彼の才能が開花する、イタリアの名門ブランド「グッチ」と不思議とリンクをしているように思えます。
もうひとつ、トム・フォードがニューヨーク時代に経験していたことに俳優業があります。テレビCMなどにも出演していて、さまざまなことに興味を持ち、多才な青年だったトム・フォードらしいエピソードだと言えるでしょう。また、この若い頃の俳優業も、後でご紹介するように将来の仕事にリンクしていくのです。
グッチで開花した才能
大学卒業後、トム・フォードは、まず、キャシー・ハードウィックというプロダクション・デザイナー(映画全体の世界観やディテールを設定する人)のもとで働きます。その後アメリカのファッションブランド「ペリーエリス」でディレクターを務めました。
そして、1990年、トム・フォードはイタリア、ミラノに渡ります。グッチのレディス部門デザイナーに就任するためです。ただ、当時のグッチは一族によるスキャンダルの只中で、ブランドイメージは失墜し業績も大きく低迷していました。
一族間の混沌と業績不振は根深いものがあり、とうとう1993年9月、当時社長であったマウリチオ・グッチは経営から身を引くことを決意。中東資本であるイベントスコープ社に全株式を売却したのです。
そして、新たな体制でスタートしたグッチが再生を託したのが、トム・フォードでした。前クリエイティブ・ディレクターであるドーン・メローの後押しもあり、新生グッチのクリエイティブ・ディレクターに就任します。
世界に注目された才能
まず、トム・フォードが手掛けたことは、ブランドのロゴデザインを変更することでした。クラシカルなイメージを一新するためにまずブランドのシンボルから変更を加えていったのです。
セクシー、ゴージャス、現在では定着しているグッチのイメージをつくりあげたのもトム・フォードです。モード系のデザインも取り入れたデザインは、世界のプレスから注目を集め売上も大きく増加していきます。低迷したブランドイメージは回復していき、2004年までの10年間で売上を10倍の30億ドルにまで拡大させ、名門ブランドの復活を成功させたのです。
また、2000年にはグッチの傘下に入った、イブ・サンローランのディレクターも兼任。こちらの名門ブランドの復活にも大きく関与をしました。その間にアメリカファッション協議会のCFDAファッションアワードなどを受賞、世界的人気のデザイナーとして、評価されていったのです。
満を持したオリジナルブランドの創設
出典:https://www.gqjapan.jp/fashion/news/20170929/tom-ford-new-mens-store-opening-in-kobe/page/2
2004年4月、トム・フォードは長年務めてきたグッチグループを退任。同時に退任したグッチのCEO(最高経営責任者)を務めたドメニコ・デソーレとともに、自身のブランドを立ち上げます。
メンズデザインから始まったブランド
満を持して創設したブランド「トム・フォード」は、まずオートクチュールのメンズデザインを手掛けます。そして、世界的なブランド展開に寄与したのが、世界的に有名なスーツメーカーである「エルメネジルド・ゼニア」と製造提携を結んだことです。男性の体型をより、魅力的に表現するトム・フォードのデザインと、一流の技術を持ったゼニアがタッグを組んだスーツは高い人気を博しました。現在では、レデースファッションはもちろんのこと、フレグランスやサングラスなど、多彩な商品ラインナップを展開しています。
また、2019年からはCFDA(アメリカファッションデザイナー協議会)の会長に就任しています。
ファッション以外に映画製作もこなす
2008年には、誰もが知る映画「007シリーズ」にトム・フォードのスーツが採用されています。これは、スーツデザインのポテンシャルはもちろんですが、先にご紹介したように、俳優として仕事をし、映画関係のプロダクションでも働いていた彼の多才な面が少なからず影響しているのではないでしょうか。
また、映画関連のエピソードはこれだけにとどまりません。2009年にトム・フォードは「シングルマン」というLGBTをテーマにした長編映画で監督デビューを果たします。興行的に大ヒットとまではいきませんでしたが、主演男優はアカデミー賞ほか、多くの賞にノミネート、作品も批評家の間では評価が高いものでした。
2016年になると、監督作品第二弾として、ミステリ長編の「ノクターナル・アニマルズ」を制作。ヴェネツィア国際映画祭では審査員大賞を受賞しています。
トム・フォードのアイテムとその特徴
トム・フォードのコンセプトは、「力強く、タフで、セクシー」。多くのアイテムを展開していますが、基本のコンセプトは変わりません。トム・フォードのラインナップから、人気のアイテムをご紹介します。
サングラスやメガネ
出典:https://www.opt3t.com/tomford.html
アイウエアは、トム・フォードにとって非常に重要なアイテムです。ブランドを設立した年から、世界的なアイウエアメーカーであるマルコリングループと提携して、アイウエアフレームとサングラスを製造販売するほど、力を入れていたのです。
「T」のラインをデザイン化したスタイリッシュでモダンなデザインは多くのセレブレティに愛用されています。例えば、ジョニー・デップ、ブラッド・ピットなど、サングラスではレディー・ガガやアンジェリーナ・ジョリーが使用しています。アイウエアは、トム・フォードがこだわり、重要視しているアイテムなのです。
コスメや香水
出典:https://web.hh-online.jp/hankyu-beauty/goods/?ggcd=B225750
トム・フォードはコスメや香水にも力を入れています。幅広い年齢層に受け入れられる商品展開で、いつまでも使い続けられるコスメを目指したコンセプトは、多くの女性の支持を受けています。個性的な商品では、「リップスアンドボーイズ」という30色展開しているリップがあります。これは、デザイナーであるトム・フォードが、影響を受けた男性の名前を1本1本に冠したリップです。
また、香水も早くから展開しているアイテムのひとつで、基本的にはユニセックスなものが多いです。特に人気なのが「ブラックオーキッド」で、高級感のある香りは軽やかで清々しい香りです。
スーツ
出典:https://wealthy-class.com/brand-suit-tomford/2/
前述のとおり、人気映画シリーズ「007」でジェームズ・ボンド役が着用しているのがトム・フォードのスーツです。その特徴は、力強いシルエットの構築。肩からバスト、背中へのラインは大きく男らしく、ウエストにかけては絞り込まれていて、バランスの取れたコントラストが魅力です。
もちろん、 エルメネジルド・ゼニアとの製造提携がありますので、デザインだけではなく、素材や仕立て技術も最高級であることは間違いありません。
トム・フォードは間違いなく、世界最高級のスーツのひとつと言えます。そのため、お手入れも非常にデリケートになります。型崩れをせずに、着心地の良さを持続するためには適切なメンテナンスが必要となります。
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