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シームレスダウンのクリーニングがTwitterで拡散
年末も近づき、朝晩冷え込むようになりましたね。
この時期あたたかい上着が欠かせません。
さて、先日Twitterで「シームレスダウンのクリーニング」についてのツイートが話題になっていたようです。
数年前に発売されてから大人気のユニクロのシームレスダウンが取り上げられていましたが、最近ではブランドダウンにもこの製法が使われているものがあります。
メリットは保温性、デメリットは寿命が約3年
ダウンの「シームレス」という製法が開発されたのは、ダウンの保温性を高めるためです。
この製法は「ノーステッチ加工」とも呼ばれ、縫製の代わりに接着剤や接着テープを使って生地を貼り合わせています。
従来の縫製で出来てしまう縫い目の小さな穴は、温かい空気が逃げてしまう原因となり、また水も入り込みます。
それを防ぐために、縫製ではなく接着することで、防水性も保温性も高まるというものです。
ここで問題になっているのが、その接着剤の寿命が約3年といわれていること。
それ以上経過すると経年劣化で接着剤が溶け出し、生地が剥がれてきてしまうのです。
こうなってしまうと修理は不可能ですし、メーカーによる補償もないようです。
また、製造の時点から劣化がはじまるので、実際に購入した時点からの劣化期限はさらに短いということになります。
クリーニングできない?
また、「シームレスダウンはクリーニングできない」という情報も拡散されているようですが、クリーニング自体は可能です。
ただし、ドライクリーニングは厳禁です。
これは、油性溶剤により接着剤が溶け出してしまうためです。
それ以外にも、中綿にダウン材などの羽毛が使われている場合は、油性溶剤により羽毛の油分が抜けてしまい、保温機能が損なわれてしまいます。
知識と技術のある職人による手洗いができるクリーニング店では、水洗いでクリーニングが可能です。「ウェットクリーニング」などとも言われています。
モンクレールやデュベティカなどブランドダウンのクリーニングに注意?
シームレスダウン以外にも、クリーニングに注意が必要なダウンジャケット。
モンクレールやデュベティカなどブランドダウンのクリーニング事故について、クリーニング店員の方の投稿も話題になっていました。
ダウン材にドライクリーニングは厳禁!
デュベティカ、モンクレールなどのブランドダウンのクリーニング失敗の原因はいくつかありますが、扱い慣れていないクリーニング店でのクリーニングや、ドライクリーニングにより、「ダウン材の羽毛の油分まで落としてしまった」など、品物の特性を理解せずにクリーニングされてしまうことなどが挙げられます。
繊細な作りに注意!
一部の製品は、デザイン重視の為、繊細な生地を使ったり、縫い方があまり頑丈ではなくほつれやすいなどの特性を持った製品もあるようです。
注意点として「高級ブランドだからといって頑丈なわけではない」ということです。
そういった商品のクリーニングは、機械洗いでのクリーニングは危険です。
1点ずつ状態を丁寧に確認し、手洗いで対応できるクリーニング店がおすすめです。
知識と技術が確かなクリーニング店を選ぶ
上記に挙げたシームレスダウンやブランドダウンなど、ダウンジャケットのクリーニングを選ぶ際、クレアンではこの様なクリーニングが理想的だと考え、実際に職人がクリーニングを行なっています。
水洗いであること
ドライクリーニングでは、ダウンやフェザーの羽毛に含まれている油分が取れてしまいます。
その結果、汗など水分をはじくことができなくなり、保温効果が低下してしまいます。
鳥の羽根は油分があることで、水中で浮いていられ、そして厳寒の寒さを防いでいます。
また油性であるドライクリーニング溶剤では、羽毛に染み込んだ汗汚れは取れません。
水洗いすることで、蓄積された汗汚れが落ち、羽毛が持つ保温性が回復します。
ダウン水洗いの詳細についてはこちら→https://clairen.jp/brand-down/wash/index.html
手洗いであること
特にハイブランドの繊細な作りのダウンのクリーニングは、機械洗いでのクリーニングはほつれや破れなどが心配です。
また、普通の衣類と違い、頻繁に洗濯しないので、襟や袖の皮脂汚れや外側のシミなどは洗浄機のみで落とすのは難しいものです。
クレアンでは合成洗剤を使わず、40度のお湯に溶かした天然石鹸による手洗いで表地の汚れをとり、隅々までブラッシングして汚れを落とします。
天然石鹸は洗浄力が強く、すすぎ性も良いので、合成洗剤のように微量のすすぎ残りもありません。
ブラシは汚れの程度に応じて幾つかの種類を使い分けます。
ダウン手洗いの詳細についてはこちら→https://clairen.jp/brand-down/cuffcollar/index.html
自然乾燥であること
長時間タンブリング乾燥をしてしまうと、ダウンウエアを叩くので、ダウンの羽が折れたり表地も傷みやすくなってしまいます。
じっくり自然乾燥が理想的です。
ダウンの乾燥、仕上げについて詳しくはこちら→https://clairen.jp/brand-down/fluffy/index.html
ほぐし加工と手仕事の蒸気仕上げ
自然乾燥の後、絡まった中綿のダウンをほぐす加工をします。
最後に手アイロンで、出る蒸気の量を微妙に調整しながら、表面の繊維をほぐし、シワなどを伸ばして、ダウンウェアの滑らかさ、ツヤを復元します。
ツヤがあり、ふわふわダウンジャケットの出来上がりです。
ダウンクリーニングの詳細についてはこちら→https://clairen.jp/brand-down/index.html
購入時とクリーニング時にしっかり確認!
シームレスダウンは、機能性は高いといえますが、まず寿命を考えて購入するということが必要ですね。
また、クリーニングにお出しの際は、今回お伝えしたことを踏まえて、はじめにクリーニング店にご確認することをおすすめいたします。
当店でも、状態によっては補償が難しいということをお客様にご了承いただいた上で、お預かりしています。
ダウンジャケットは、布団と同様とても汗をかきやすい衣類で、汗汚れが蓄積されると本来の羽毛の保温性も弱まってしまいます。
適切にクリーニングすることで、快適な着心地が回復します。
ダウンクリーニングの詳細についてはこちら→https://clairen.jp/brand-down/index.html