ダウンジャケットのダウン(羽毛)とは
ダウンジャケットの中綿は、水鳥の産毛のようなやわらかい胸の部分を使用して作られています。だから、ダウンは温かくてふわっと軽い着こごちなのですね。
品質表示タグやラベルには、中綿にはダウンが90%、フェザーが10%と表示されています。ダウンジャケットの中綿繊維組成のほとんどが、ダウンの中にフェザー(羽)が混入されています。
写真の手の中にあるのがダウンで周りの羽のようなのがフェザーです。もちろん保温力はダウンの方が良いのです。フェザーを混ぜる理由は。ダウンだけでは、押されても元に戻る「復元力」が弱く、ダウンがペシャンとなってしまいます。フェザーを入れてあるのは、ふわっとしたダウンウエアの形を保つために、フェザーの反発力を利用しているのです。
ダウン衣類は水洗いが決め手
さて、ダウンの洗い方ですが、クレアンではダウン専用の水洗いです。1シーズン着用したダウンジャケットには汗が蓄積されています。その汗を除去するにはドライクリーニングではできません。また水鳥の羽毛には油分が含まれており、ドライクリーニングするとその油分が除去されてしまい。保温力が半減してしまうからです。
日本と海外製造元の洗濯絵表示の違い
この写真は、海外ブランドの洗濯絵表示で、それぞれの国の言葉で表示されています。上が海外の製造元の洗濯絵表示、下の方が輸入した日本の洗濯絵表示です。一番左側絵表示の上下を比較してください。表示方法は少し違いますが、上の表示は手が水桶の中に入れられていて手洗いがOKという表示。下のタグは水桶に☓印がつけられて手洗いがNGと記されています。同じ品物なのに洗い方が違うのはどこかおかしいですね。 水洗いが理想的なのに日本のダウンジャケットの洗濯表示は、ほとんどが水洗い☓(バツ)で、ドライクリーニングのみです。日本のクリーニング店は絵表示通りに処理しますので、ドライクリーニングオンリーです。
モンクレールの洗濯方法を教える漫画ラベル
これはモンクレールの内布につけられている洗濯方法を教える水鳥の漫画です。
「柔らかい石けんで洗って、すすぎもしっかりしてネ」という意味ですから、水洗いを推奨しているのです。
製造元のモンクレールは、汗は水洗いで除去出来る。また水鳥の羽毛には油分が含まれているので、その油分が汗などの水蒸気を弾いて外に逃がしてくれるから温かい。ドライクリーニングするとその油分が除去されてしまい。保温力が半減してしまう。ということがよくわかっているのでしょう。
ダウンジャケットの手洗い
さてクレアンのダウン専用水洗いは、まず手洗いで袖口の汚れなどを、洗浄力のダウン専用洗剤でブラッシングして除去します。
袖口とエリ元が最も汚れる箇所です。
汚れを隅々までチェックし、全体的にブラッシングをかけます。
水洗機でダウンの中綿の汚れを除去
十分に石けん溶剤が染みんだところで、専用ネットに入れて水洗機に入れます。ダウンジャケットの中綿の汗を除去するためです。
軽い水洗いですから、汗は取りますが、羽毛の油分はそのまま残ります。
ダウンウエアは自然乾燥するべし
ほとんどのクリーニング店では、洗濯絵表示通りにドライクリーニングして、そのままタンブリング乾燥をしてしまいます。乾燥時間に時間がかかり、またダウンウエアを叩くので、ダウンの羽が折れたり表地も傷んでしまいます。じっくり自然乾燥が理想的です。 自然乾燥が終われば、絡まった中綿のダウンをほごす加工をして最後の仕上げを行います。
羽毛のほぐし加工と手アイロン
手アイロンで、出る蒸気の量を微妙に調整しながら、表面の繊維をほぐし、シワなどを伸ばして、ダウンウエアの滑らかさ、ツヤを復元します。
ツヤがあり、ふわふわダウンジャケットの出来上がりです。