礼服・喪服を着る機会があってクリーニング店に持ち込んだら、いつものスーツクリーニングよりも料金が高かった・・・。どうして?
こんな声を伺うことがあります。
なぜ礼服・喪服のクリーニング代金は高くなってしまうのでしょうか。
礼服・喪服のクリーニング料金が高い理由
街のクリーニング店に礼服・喪服を持ち込むと、ほとんどのケースで男性用スーツや女性用ワンピースよりも高い料金設定になっているかと思います。
ここには次の3つのような理由があります。
1.礼服・喪服だけでクリーニングする必要があるから
礼服・喪服は一般衣類とは素材、デザイン、縫製が異なる特別な衣類です。
ウールやポリエステルが使われることが多いのですが、光に当たっても光沢が出たリグレーにすすけて見えることがないように染め方が一般の黒い生地とは異なっているのです。
このように漆黒に染めてある生地を他の衣類と一緒に洗ってしまって、色移りがあったり汚れてしまっては大変ですので、礼服・喪服は基本的に他の衣類とは洗いません。
洗う手間がかかる分だけ、クリーニング代金が上がってしまうのです。
2.アイロンが全て手作業になるため
クリーニング工場にはほぼ必ずと言って良いほどジャケットに自動的にアイロンをかけられる人体プレス機やワイシャツ専用のプレス機があります。
毎日たくさんのご注文をいただくワイシャツやスーツをスピーディに仕上げるためにとても便利なマシンなのですが、礼服・喪服のアイロンではこのマシンを使うことができません。
礼服・喪服は絶対にテカリが出てはいけない衣類ですので、熱したプレス機を当てるわけにはいきません。職人が自分の目で確認しながらスチームだけで確実にアイロンをかける必要があるのです。
アイロンひとつとっても一般衣類よりも高い技術と品質が求められることから、価格が上がってしまうという理由もあります。
3.長期保管かついつでも着られる仕上がりにするため
礼服・喪服は普段から着用する衣類ではありません。どちらかというとクローゼットで保管している期間の方が長いくらいではないでしょうか。
ただ、着用しなければいけない機会は予期せずやってくることもあります。
つまり礼服・喪服は、特別なメンテナンスをしなくても、出したらすぐに着られる状態でなければいけないのです。
そのため、お店によっては礼服・喪服クリーニングにあらかじめ防虫加工や防カビ加工をセットにして価格設定をしているところもあります。
通常はオプションになっている処理をセットにしていることから、価格が高くなっているのです。
また、ご返却する際のカバーが異なることもあります。
通常のスーツはビニールカバーでお返しされることが多いかと思いますが、礼服・喪服には通気性の良い不織布カバーが採用されていることがあるんです。
本来ビニールカバーはすぐに外していただきたいのですが、万が一つけっぱなしになってしまったときでもカビや虫食いの発生を防ぐための配慮です。
かかる経費が違うことも礼服・喪服クリーニング費用が上がってしまう理由となります。
礼服・喪服に求められる特性から、どうしても手間がかかり必要経費も上がってしまいます。クリーニング代に転嫁させなければならない事情をご理解いただければ幸いです。
クレアンの礼服・喪服クリーニング代金はどうなってるの?
クレアンでは、実は礼服・喪服も特別料金は設定していません。
男性の礼服・喪服上下ならスーツの料金で、女性用のワンピースタイプならC分類のワンピース料金になっています。
なぜクレアンの礼服・喪服クリーニングは高くないの?
クレアンの礼服・喪服クリーニング料金設定がスーツやワンピースよりも高くない理由は主に2つあります。
1.オーダーメイドクリーニングのお店だから
クレアンはオーダーメイドのクリーニング店ですので、礼服・喪服のクリーニングに必要とされる以上の洗い方、仕上げを日ごろから行っております。
一般のクリーニング店では礼服・喪服のクリーニングは水を使わないドライクリーニングで洗います。
ドライクリーニングは油性のドライ溶剤で洗うことによって汚れを落とす方法です。水に濡れることがなく型崩れの心配がないため、スーツクリーニングやプリーツスカート、ニット類のクリーニングに向いています。
ただ、ドライ溶剤は油性の汚れには強いのですが、水溶性の汚れはほとんど落とせないという弱点もあります。
衣類に付着している水溶性の汚れには、汗、食べこぼし、飲みこぼし、尿などがあり、ドライクリーニングではこれらを落とすことはできないのです。
礼服・喪服も水と洗剤を使ったウェットクリーニングで洗うことができれば油性の汚れと水溶性の汚れを両方落とすことができるのですが、残念ながらこの技術を持ったクリーニング店はごく少ないようです。
クレアンは一般のクリーニング店では絶対にドライクリーニングで洗うような衣類もウェットクリーニングやマイクロバブルWウォッシュで洗うことができます。
手洗いでは熟練の職人が科学的根拠のある洗浄成分を使用して衣類を1点ずつ手洗いするので、型崩れや縮みなどのダメージの心配がありません。
また、汚れがきちんと落ちていることを職人が目で確認しますので、頑固な汚れ・シミにも対応できます。
マイクロバブルWウォッシュはカシミヤ、アンゴラ、シルクなどの大変デリケートな天然繊維も洗うことができる大変優れたマシンです。
水そのものではなく泡の微粒子で洗うため繊維が水に直接触れることは限りなく少ないので、ダメージの心配がないのです。
その結果、クレアンでクリーニングした礼服・喪服は汗も汚れも匂いの元もスッキリと抜けてふんわりとした仕上がりになります。
2.同じ洋服なのに価格を上げるのはどうなの?という考えもあります
衣類のクリーニング方法とこだわりはお店ごとに異なり、私たちは日ごろからオーダーメイドクリーニングをご提案させていただいていて、水洗いが可能な衣類はできるかぎりウェットクリーニングを行っています。
ドライクリーニングはダメージなく洗えるという非常に大きなメリットがありますが、汚れ落ちの面で物足りなさがあるので、安全に洗うことができるウェットクリーニングを日々研究開発しています。
礼服・喪服の特性を考えると確かに注意が必要な衣類ではありますが、クレアンでは日ごろから他の衣類にも細心の注意を払って衣類にあわせた高級クリーニングを行っており、礼服・喪服だからといって価格を上げる理由がないのです。
これもわたしたちのこだわりです。
ちなみにクレアンではハンガーにかけてご返却する衣類は礼服・喪服以外もビニールカバーは使用していません。表面は衣類が見えるビニール、裏面は通気性の良い不織布でできている特別なドレスカバーでお返ししております。
礼服・喪服クリーニングもクレアンにお任せ下さい
礼服・喪服を着用するたびにクリーニングに出しているという場合でも、かなり多くのケースでドライクリーニングで洗っていることと思います。
ドライクリーニングは油性の汚れには本当に強いのですが汗汚れには弱いため、せっかくクリーニングに出したのになんとなく匂いが気になる・・・ということもあるかもしれません。
クレアンでは礼服・喪服もウェットクリーニングが可能です。ウェットクリーニングで洗った衣類はクリーニング前と比べるとふわっと軽くなって、袖を通したときの感覚がスムーズであることをご実感していただけるかと思います。
次回の礼服・喪服クリーニングの際は、ぜひクレアンにお任せ下さいませ。
ご覧いただきましてありがとうございました。