毎年のように「今年の夏は暑い!」と言いますが、今年は特に暑かったですね。
実際今年は記録が残っている1898年以降で夏季の日本全国の平均気温としては最も高温となったそうですよ。
関東ではそろそろ秋の気配が感じられると天気予報で言っていましたが、どうかな?
ちょっと気が早いように思うかもしれませんが、秋が深まる前にぜひお気に入りの靴・ブーツをチェックしてみて下さい。
思ったよりもダメージがあったりカビが生えていたらスペシャルなメンテナンスをおすすめします。
靴・ブーツのよくあるダメージ
革のひび割れ
ヒビは革靴、レザーブーツの曲がる部分(屈曲部)によくあるダメージです。
歩くときに脚の形に合わせて曲がる部分なのでどうしても傷みやすいのですが、お手入れをしないとさらにダメージは進行します。
ヒビが入ってしまった靴・ブーツは色をのせる補修をすることで目立たなくすることはできますがやはり限界があります。日常的にメンテナンスをしてヒビを防止しましょう。
かかと・ソールのすり減り、はがれ
かかと、ソールは常に重い負荷がかかっているのでダメージを受けやすい部分です。
ゴムのソールは劣化しやすく長期保管中にひび割れてしまったり、ソールそのものが靴本体からはがれてしまうこともあります。
長期保管から出したブーツは、裏返してソールもチェックしてみて下さいね。
カビ
カビは高温多湿の日本では逃れられないダメージです。
カビは栄養・湿度・温度が揃うと発生します。
食パンやお餅などの食品を栄養にしてカビが生えるのは皆さんご存じのとおりですが、実は人の分泌物、皮脂、垢、フケなども栄養になるんです。
前のシーズンにたくさん履いた靴・ブーツをクリーニングせずに長期保管することも当たり前にありますよね。
靴箱の中にはカビが大好きな湿度と温度が揃っているので、ここに栄養たっぷりの靴・ブーツが長期間保管されるとカビが生えるのは当然のことなんです。
お気に入りの靴・ブーツにカビを発見したら、なるべく早くクレアンにご相談下さいね。
クレアンのメンテナンス事例
靴・ブーツの長期保管明けによくあるダメージをクレアンでメンテナンスさせていただいた事例をご紹介します。
UGGモカシンのカビ取り
鮮やかなブルーのUGGモカシンにカビが生えてしまっています。
ムートンは寒い冬の足元を温めてくれるのですが、その分、カビが生えやすい素材でもあります。冬にたっぷり汗を吸ったモカシンをそのまま靴箱に保管してしまうと、このようにカビが大量発生してしまうことも多いのです。
モカシンやレザーシューズはご家庭で水洗いをすることができません。水に弱い素材なので、型崩れ・色落ちの原因になってしまうからです。
クレアンならUGGモカシンのような一見洗えなさそうなシューズもムートンブーツ・レザーブーツもまるごと水洗いすることが可能です。
カビも溜まってしまった汗汚れもスッキリ落とせるので、シーズンオフの丸洗いクリーニングはとてもおすすめです。
洗いあがりがこちらです。
びっしり生えていたカビがちゃんと落ちていますね。元々鮮やかなブルーでしたがより深みを増したように感じられます。
つぶれていた内側のムートンもフワフワがよみがえって、これからも寒い冬の足元を温めてくれそうです。
CONVERSE JACK PURCELLスニーカー
こちらはファンが多いコンバース(CONVERSE)のジャックパーセル(JACK PURCELL)。希少カラーのパープルです。
ブラックのシューレースと、ユニークなデザインを象徴するトウのスマイルのブラックがとてもオシャレ!
ただ、トウに黄ばみがでていて、よく見ると全体に汚れもあります。
クレアンで全体を洗って特殊な漂白でソール全体の白さを取り戻すべくクリーニングした結果がこちらです。
とても丁寧に履かれていて元々ダメージが少ないスニーカーでしたので、パープル、ブラック、ホワイトのそれぞれのパーツが美しくなり、まるで新品のようになりました。
レザーブーツのシミ
とても上質なブーツなのですが、雨の日に履いてしまったのでしょうか。
水が革にしみ込んでしまって水シミができています。
シミが飛んでいる部分には白いカビのような汚れも見られます。
これからも大切にしたいけど、このまま履き続けるのはちょっと・・・という状態ですね。
レザーブーツのシミ、汚れ、カビは、洗うだけで落ちることもあれば落ちないものもあります。クリーニングでも落ちないシミなどは補色(リカラー)で隠すことができるので、クレアンでは実際にお品物を拝見して、最適な方法をご提案させていただいています。
クレアンはオーダーメイドクリーニングのお店ですので、こうしてお客様のご希望と革の状態を考えて、経験豊富な職人が臨機応変に作業内容をご提案できるところはお客様にとっても大きなメリットになると考えています。
こちらがメンテナンス完了の状態です!
あれだけついていた水シミが綺麗になくなりました。
レザーシューズのリカラー
最後はスレ、ダメージが目立つようになってきたレザーシューズのリカラーです。
大切に履かれてきたビジネスシューズ。オーナー様のスーツの足元を何年も支えてきたことがわかります。
この靴が持っている使い込まれた雰囲気は大切にしたいので、慎重に染料を調合して色をのせていきます。
スポンジを使って補色しています。このスポンジはメイク用のもので、必要に応じてカットして塗り込んでいきます。
後ろにブラシが何本もあるのがおわかりでしょうか?
1枚のレザー生地から靴を作り出すことも大変な作業ですが、すでに完成している靴に色をのせるのも非常に高度な技術になります。スポンジやブラシなどの道具を使い分けながら丁寧に丁寧にのせていくのです。
こちらではステッチに色を入れるために極細ブラシを使っています。
リカラーが完了しました。
ベタっと平面に色を塗ってしまうとこの靴の持ち味が損なわれてしまいますので、隠したいダメージはしっかり隠しながら、履きこまれた柔らかいレザーの風合いが残るように微妙に色を調整しながら補色を行いました。
衣替えのシーズンにはぜひ靴・ブーツのチェックを!
靴・ブーツも長期保管前にクリーニングで汚れや汗をスッキリと落とすことをオススメします。高級ブランドの靴・ブーツ、長く大切に履いていきたいものは特に普段のメンテナンスに加えてクレアンもご活用下さいね。
そして、衣替えのシーズンには靴・ブーツも全体をチェックして下さい。
ダメージを発見したら早めに対策しましょう。