そろそろ本格的な冬の装いもいらなくなり、今年もお世話になったコートを長期保管する季節になります。
この時期にクレアンによくお問合せいただくのが、Barbour(バブアー)、BELSTAFF(ベルスタッフ)、Burberry(バーバリー)などのオイルドコートのメンテナンスについてです。
今年はお手持ちのオイルドコートをしっかりとメンテナンスして、これからも長く着ていけるようにしませんか?
このページの目次
オイルドコートとは?
オイルドコートはコットンのジャケットの表面にワックスが薄く塗りこんであるコートのこと。
オイルドコートを代表する世界的メーカーといえばイギリスのバブアー社です。
バブアー社はイギリスの衣類ブランドで、1894年にジョン・バブアーによってサウスシールズに設立されました。
このワックスを塗り込んだコートは、もともとは雨が多いイギリスの作業用として開発されたものでした。現在はワックスの独特なしっとり感と鈍いツヤのおしゃれさが人気で、タウン着として世界中で愛されています。
オイルドコートの問題
オイルドコートをお持ちの方は皆さんご存じかと思いますが、自宅で洗うことができないというとても大きな問題があります。
衣類なのに洗えない!
こちらはバブアーオイルドコートの洗濯表示です。
全てのマークに×がついていますね。
これらの意味は左から、
・水洗い不可
・漂白不可
・アイロン不可
・ドライクリーニング不可
となっています。
つまり、オイルドコートは水洗い(ウェットクリーニング)もドライクリーニングもできないコートということになるんです。
ご家庭の洗濯機も手洗いも不可ですし、クリーニング店に持ち込んでもドライクリーニングもできないので、ほとんどのお店店でお断りをされてしまうはずです。
清潔好きで匂いにも敏感な日本人にはこれは耐え難いことで、お気に入りのオイルドコートを持て余してしまっている人も多いのです。
臭いが蓄積されます
オイルドコートの表面にはワックスが塗ってあるとご紹介しましたが、このワックスは必ず酸化してきます。
ワックスが酸化すると匂いが変わってきて、人前で着ることを躊躇してしまうほど臭くなってしまうこともあります。
オイルドコートの匂いとしてよく言われるのが、
・エレベーターなどの機械油のような匂い
・すっぱい匂い(酸化した油の匂い)
・とにかく油臭い
などの、オイルが原因となる匂いと、これらにカビが混ざってしまった匂い、汗臭いなど原因はさまざま。
コートのワックスはだんだんと酸化して匂いが変わってきますし、このオイルは匂いの原因を吸着するというネガティブな効果もあります。さらに汚れても洗えないので、汚れも臭いもどんどん蓄積されてしまうのです。
クレアンならオイルドコート、オイルドジャケットを洗えます
コートなのに洗えないという問題を見てきましたが、クレアンではオイルドコート、オイルドジャケットを水洗いすることが可能です。
洗えないコートなのになぜクレアンなら洗えるの?と不思議に思われるかもしれませんが、それはクレアンにはオイルドコートを安全に洗う高い技術があるから。
オイルドコートクリーニング実績が豊富なお店を探してクレアンを見つけて下さるお客様も本当に多いんですよ。
オイルを抜くこともできる?オイルを塗ることもできる?
オイルドコートクリーニングについて、お客様からよくいただくお問合せには次の3つのパターンがあります。
「古いオイルを抜いてコットンコートのように仕上げたい」
「現在残っているオイルをできるだけ残して汚れを落としたい」
「オイルを再度塗りたい(リプルーフ)」
クレアンではこれらすべてのリクエストに対応することが可能です。
「古いオイルを抜いてコットンコートのように仕上げたい」
ワックスとオイルドコート特有の匂いをサッパリと落としたい場合は、ドライクリーニングで洗います。
ドライクリーニングは脂溶性の汚れを非常によく落としてくれるので、古くなったオイルと表面に付着した汚れを落とすことができます。
オイルドコートのツヤは失われますが、人が密着するシーンでも着用しやすくなります。
クレアンをご利用下さったお客様の中には、オイル抜きしたバブアーオイルドコートをインナーとしてレイヤードスタイルにするという超高度なスタイリングを楽しんでおられる方もいらっしゃいます。
<ご参考>Mes favoris et musique:おかえりバブアー。
oboist様、本当にありがとうございます。
「現在残っているオイルをできるだけ残して汚れを落としたい」
風合いはそのまま残して、汚れを極力落としたいという場合は水洗いクリーニングを施します。
コートの表面を天然石けんの溶剤で洗い、汗などの匂いの原因も落とします。
ただ、この場合もオイルが完全に残るわけではなく多少は落ちてしまいます。
新品時のようなツヤをご希望の場合は、次のリプルーフをおすすめいたします。
「オイルを再度塗りたい(リプルーフ)」
リプルーフは、オイルドコートに再度オイルを塗る加工です。
バブアー社もオイル缶を販売していますが、ベタベタするオイルを自宅でコートに塗るのはかなり大変な作業です。ムラになってしまうことも本当によくあります。
クレアンでは、日本の気候や日本人の気質を考えてオイルドコート専用に開発したオイルを使用しています。植物性オイルと動物性オイルを調合してあり、匂いもかなり軽減されております。
このオイルを薄く塗っては乾燥させて、再度塗って乾燥させて・・・という工程を繰り返して、オイルを定着させていきます。
★リプルーフ前
★リプルーフ後
コートの状態は1枚1枚違ってきますので、お客様とメールでやり取りを重ねてできるだけご要望にお応えできるようにスタッフ、クリーニング担当全員でベストを尽くします!
オイルドコートクリーニングのお問合せでよくいただく質問をまとめておりますので、ぜひご覧になってみて下さい。
来年のオイルドコートシーズンに向けて動き出しましょう!
オイルドコートは、そのオイルが繊維を守る役割を担っているのでとても頑丈です。
汚れや匂いが気になってきたらクリーニングをオススメしますが、今回ご紹介したようなメンテナンスは数年に1度で十分ですので、ぜひこの機会にご検討下さいね。
ネットの情報の中にはバブアーオイルドコートを自宅で洗う方法が公開されているのですが、お洗濯のプロとしてはオイルドコートを自己流で洗うのはオススメしません。
コートの状態は本当にそれぞれ異なっていますので、あなたのオイルドコートでもうまくいくという保証はどこにもないんです。
ネットの情報を頼りにメンテナンスをしたことでオイルがまだらに落ちてしまったという理由からクレアンに慌ててご相談下さるお客様もいらっしゃいます。
高価なコートですし、メンテナンスはぜひクレアンにお任せ下さい。