衣替え前の、冬物衣類のウール、カシミヤなどの理想的な洗い方、お手入れ


天然素材であるウールやカシミヤなどは、擦れによって毛玉ができたり、水に弱いなど、扱いはデリケートで家庭でのお洗濯は難しいとされています。

また、クリーニングに出すとほとんどがドライクリーニング対応になります。
ドライクリーニングは、家庭での水洗いのお洗濯とは違い、水を使わずに油性の洗剤で洗います。
そうすると、油溶性の汚れはよく落ちますが、汗汚れなどの水溶性の汚れはほとんど残ってしまいます。

そろそろ衣替えの時期になり、特に長期保存の前には汗汚れもキレイに落としたいですよね。
まずは素材について知り、ご家庭でお洗濯する場合は、後に出てくる「注意事項」に気をつけて洗いましょう。

なぜウールは縮むのか

ウールでも、手洗いや水流式洗濯機で、繊維に負担をかけない洗い方をするなど、取り扱いをちゃんとしてあげれば、シワにもならず、縮みもしないで洗うことが出来ます。

また、刺激の少ないと言われているドライクリーニングでも、水分の多い溶剤を使うと縮みやフェルト化を起こすことがあります。

本来ウール繊維は生理的に縮むようにできています。
これは、雨が降ってきた時に、羊の身体まで雨が染みこんでいかないようにするためにできた羊毛の特性なのです。

ウールの持つ「スケール」という”うろこ”状の毛表皮は、乾燥しているときは閉じています。
しかし水にぬれると開くので、この状態でこすれると”うろこ”がからみ合って、フェルト化(フェルトの生地のように堅くなること)現象を起こし、縮みの原因となります。

そこで、やさしく洗うと・・繊維を守り、からみ合うのを防ぎます。

ウールの保温性のしくみ

ウールは天然繊維の中で最も温度変化の影響を受けにくい性質があります。高い吸湿性があり、湿気を吸収すると発熱します。
そして、クリンプというバネのように弾力のある神秘的な縮れが、温かな空気の層を作っています。

そのように素晴らしい保温素材であるウールですが、汚れるとそのクリンプの弾力性が弱まり保温性も低下します。

適切なお洗濯やクリーニングにより汚れがとれると、またふっくらとした温もりがよみがえります。

カシミヤの特性


繊維がより細く、長いほど肌触りや光沢もよく、高級とされるカシミヤ。
寒さの厳しい地方に生息するカシミヤ山羊のうぶ毛が原料なため、希少で高価な素材です。

繊維がとても細く軽いのが特質ですが、それゆえに絡まりやすく、毛羽立ったり、毛玉になるなどのデリケートな面も。

また、表面を覆っている脂によって、艶やかな光沢やなめらかな手触りになっています。
その脂がクリーニング(特にドライクリーニング)で落ちてしまうと風合いが変わってしまうので注意が必要です。

ご家庭で手洗いする際の注意事項

洗い、すすぎ

縮まないように、洗いもすすぎも必ず40度以下の水温で行います。
30度くらいのぬるま湯がおすすめです。
汚れも落ちやすく、縮れも防ぎます。

おしゃれ着用の中性洗剤を使いやさしく手でつかむ様に洗いますが、汚れを強く揉んだりすると毛玉や伸縮の原因になるのでご注意を。
また、編み目がざっくりしたものは縮みやすいので、クリーニングをおすすめします。

すすぎは、洗剤が残らない様に、2〜3回よくすすぎます。

脱水、乾燥

脱水は短めに、10秒脱水→一時停止を2〜3回繰り返します。
一時停止の時に取り出し、衣類を軽くほぐして形を整えてから再び脱水するとシワやよれが防げます!
手絞りは型崩れしてしまうので厳禁です。

その後、形を整えてから平干しします。

ウールのお手入れ


気軽に着れるのはいいのですが、お手入れはデリケート。

表面が汚れてくるのは主にホコリなどが原因
ウールのニット類は手洗いや洗濯機のドライコースなどで洗えるものもありますが、コートなどは着用後にブラシをかけるだけでもだいぶ違います。

また、袖や襟の黒ずんだ汗、皮脂汚れには水で濡らして硬く絞った布でたたき拭きをします。
水シミにならないよう、布はよく絞り、たたく→乾かす→たたくと繰り返して汚れを拭き取ります。

ただし、強くたたき過ぎたり、こすってしまったりすると、生地を傷めたり毛玉になりやすくなるので気をつけましょう。

カシミヤのお手入れ

軽く柔らかく暖かく、上質なカシミヤ衣類。
その美しさもまた魅力ですよね。

普段のお手入れは、着用したあとにブラッシングするだけでもかなり違います。
それだけでほこりが落ち、毛並みも整い風合いが戻ります。

ですが、合成繊維などの毛の硬いものは、逆に繊維を傷めてしまうことがあるので、馬毛の柔らかいブラシがおすすめです。

また、数回着て毛がへたってきたら、アイロンを生地には直接あてずスレスレで浮かしてスチームを当てます。
蒸気で毛が起き、クリーニング後のような仕上がりに。

ただし、汚れがある場合その部分にはスチームは当てないようにしましょう。

水洗いクリーニングという選択肢


ご家庭でのお洗濯は失敗しないか不安だし、手間もかかる…という場合は、水洗いクリーニングがおすすめです。

クリーニングに出すとドライクリーニングとなってしまうことが多いカシミヤやウールなども、クレアンでは水洗いクリーニングができます。
繊維を傷めずに洗うことができる、特別な『マイクロバブルウォッシュ』という洗い方でクリーニングします。

クレアンでは、特別な水洗い『マイクロバブルウォッシュ』で傷めずキレイに


クレアンのクリーニングでは、『マイクロバブルウォッシュ』という特殊な技術を使ってウールやカシミヤなどのデリケートな高級素材も水洗いします。

『マイクロバブルウォッシュ』とは、洗浄に適した天然水を使い、超微粒子の泡を生成して汚れを落とす、特別な水洗いクリーニングです。

上の写真では、洗剤で水がにごったように見えますが、実は洗剤ではなく、これが超微粒子の泡によるものです。

この超微粒子の泡が汗汚れやしつこい汚れも取り除き、水による繊維へのダメージも限りなく小さくなるので、洋服の縮みや型崩れ、風合いを変えることなく洗い上げます。

✳︎マイクロバブルウォッシュクリーニングについて詳しくはこちら
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職人の手仕上げで美しく


一般のクリーニング店での、プレス機による機械仕上げとは違い、クレアンでは1点ずつ職人が手アイロンで仕上げを施します。噴出する蒸気の量や、プレスの圧を微妙に調節しながら丁寧に行います。

ウールは熱に弱いので、乾燥は低温であることが大切です。また、扱い方により伸び縮みして型崩れしやすいので、乾燥前の脱水は短めにし、手アイロンの蒸気や、その蒸気を素早く吸い取り調節する為のバキュームを使うなど、職人の見極めと技術で仕上がりに差がつきます。

ウールやカシミヤのお手入れで一番気になることの多い毛玉やほつれ。
ファッションケアクレアンでは、毛玉取りやほつれのお直しのサービスもしています。
(※程度によってご対応できかねる場合があります。)

✳︎クレアンの衣類クリーニングについて詳しくはこちら
✳︎料金表はこちら

しっかりお手入れでキレイに長持ち


ウールやカシミヤなどは、きちんと適切なお手入れをすることで何年も長持ちします。
来年もまたあたたかく心地よく着れるように、しっかり洗って美しく保存しましょう。

他にも、アンゴラやモヘヤ、キャメル、アルパカなど、天然素材の水洗いクリーニングならクレアンにお任せください。