秋から春まで、イベントでお着物をまとう機会は多いですね。結婚式、七五三、初詣、成人式、卒業式、入学式…お着物の着用率は年々増加傾向にあるようです。
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一度の着用でついてしまった汚れを一生の後悔にしない為に
一度しか着てないから…と、しまっておいて、その時は見えなかった汚れが変質して、のちに浮き上がり取れないシミになってしまったというのは、よくお受けするご相談です。汗はそのとき見えなくても、塩化ナトリウムや尿素や塩素などのミネラルで構成されているので、後々黄ばみの原因にもなります。
食べこぼしや、泥汚れはもとより、ファンデーションは、ふとした瞬間に襟元についてしまうことも多くあります。ファンデーションの中には漂白成分を含むものもあり、生地の変色を招くことも…。変色してしまうと染料掛けや柄足しなど、大掛かりな補正が必要になる場合もあります。着用後は、汚れをキチンとチェックし必要なお手入れをすることをお勧めいたします。
一般的なクリーニング店での着物のクリーニング方法は3つ
- エリや袖口の汚れだけをベンジン等で処理して仕上げる『生き洗い』
- きものをほどき反物の状態にして水でゴシゴシ洗い、仕立て直す『洗い張り』
- 石油系の溶剤で洗うドライクリーニング。いわゆる『丸洗い』
「1.の生き洗い」はお手入れ程度のものです。「2.の洗い張り」は手間が掛かりコストがとても高くなります。そして現在、ほとんどの着物のクリーニングは「3.の丸洗い」が主流となっています。
着物はシルク素材なので一般のクリーニング店では水洗いは出来ません。必然的にドライクリーニングなってしまうので上記で記したように、汗の成分が残りせっかくクリーニングをしても、将来的に黄ばみや黄変を免れないのです。
天然水とマイクロバブルで水洗い。前処理とシミ抜きも余念なく。
高級クリーニングの専門店クレアンでは、地下水脈から取水した汚れを落とす効果の高い天然水で水洗いをいたします。そしてマイクロバブルのミクロの泡で風合いを損ねることなく、繊維の細部の汚れを掻き出します。
汚れの種類を判断し、マイクロバブル洗浄とドライクリーニングを組み合わせ、最も良い仕上がりとなるように作業いたします。
本洗いする前の前処理として、汚れの多い部分はブラッシングしておきます。シミの部分は、シミ抜き溶剤でたたき溶かします。
着物の素材は正絹(シルク)です。シルクの場合、古くなったカビや変色したシミ、ワインのシミなどは、通常の染み抜きでは落ちないこともあります。
その場合は、色補正作業を行います。
これはワインのシミです。赤ワインは応急処置をしても色が残ります。時間経過で変色してしまっているので、クリーニングの洗浄でも色は取れません。
正絹(シルク)の漂白はとても難しく特殊漂白となりました。柄の色が変わらないように少しずつ漂白することですっかりきれいになりました。
他の復元修復例は、「振袖・着物・和服の復元修復 ビフォーアフター」をご覧ください。
仕上げは職人技のアイロンです。
着物は銀糸、金糸で織られたものや刺繍されたものなど、素材は様々です。
細かく様々な素材が盛り込まれた一枚の着物を、経験値の高い職人が、業務用アイロンで蒸気の量を微妙に調節しながらプレスしていきます。
素材の特徴に合わせ最高の技術で仕上げられる大切な一枚は、あなたの大切な時を彩り、世代を超え思い出と共に受け継がれることでしょう。そのお手伝いを担うことが、高級クリーニング専門店クレアンにとって至上の喜びです。