マッキントッシュのゴム引きコート、技術を持つクリーニングのプロは洗えます。

マッキントッシュのゴム引きコートのクリーニング

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マッキントッシュ、英和辞書で「MACKINTOSH」と引くと、「ゴム引き防水コート」と書かれており、マッキントッシュは完全防水のゴム引きコートの代名詞となっているイギリス生まれのブランドです。
今回はマッキントッシュのクリーニングのご紹介です。

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マッキントッシュのゴム引きコートは、二枚の生地の間に液化した天然ゴムをのばして圧着し、熱を加えて作られたマッキントッシュクロスで縫製されています。その防水性の高さは、雨が多いのに、あまり傘をささないイギリス人に人気を呼びました。

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完全防水服は、温度が高くなるとどうしても蒸れます。そのため脇の下には通気孔がつけられています。
このように、マッキントッシュのゴム引きコートには様々な工夫がなされています。
しかし問題点もあります。

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生地は完全防水ですが、生地と生地の間の縫い目にはどうしてもすきまが出来ます。そのために、縫い目に裏から防水テープを接着剤で張り会わせてあります。これが経年劣化で剥がれてくるのです。

この品物の防水テープのハガレはわずかですが、中には大きく剥がれているものがあります。

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ワキの部分は汗をかくところで汗による酸化が激しく、また摩擦が大きいので、ボンドの劣化とともに剥がれてきます。

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こうした防水テープのハガレは、ゴム引きコート用の接着剤を使って、補修します。これは通常のクリーニング店では出来ません。高級クリーニング店クレアンだからこそできるサービスです。

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マッキントッシュのゴム引きコートのもう一つの問題は、スレです。中にゴムが圧着されているせいか表面が硬く、ポケット、衿、ボタン周りがすれると、白化して白くなってきます。脇、ひじなどの摩擦が大きい部分もです。

それではクリーニングに入りましょう。

マッキントッシュの手洗いクリーニング

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マッキントッシュは、洗濯表示がすべて×になっているので、クリーニング店に持って行っても断られてしまいます。

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実は洗濯表示がすべて×となっているのは、家庭洗濯表示で家庭では洗ってはいけませんという意味で、技術を持つクリーニングのプロは洗えます。
それには手洗いクリーニングが原則です。

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まず汚れのチェックをします。
エリの汚れと袖口の汚れをチェック。これで洗い方を決めます。

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まず全体的な汚れを落とすために、2槽式洗濯機で前洗いをします。1点洗いです。洗剤は100%天然石けんです。石油からつくられる合成洗剤と違って、動植物油脂からつくられた石けんですから、人の汗、油脂になじみが良く、とてもよく落ちます。

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全体的な洗いが終わると、汚れている部分に油汚れ専用の石鹸溶剤をスプレーします。
しばらくおくと、汚れが石けんの力で溶解してきます。

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柔らかいブラシでブラッシング。柔らかいブラシは、目が細かいので汚れをかきだすことができ、なお生地を傷めません。

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袖口も同じように、柔らかいブラシでブラッシング。
肌に触れる裏側を中心にブラッシングします。

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手を出し入れして汚れやすいポケット回りも丹念にブラッシングします。

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クリーニングの最後は仕上げ洗いです。とても柔らかい水流で洗います。
染みこんだ石けん溶剤で汚れを落とし、ゆすぎます。
脱水は短時間で、そして自然乾燥します。
これでゴム引きコートのクリーニング(洗い)は終了です。

マッキントッシュのアイロン仕上げ

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ゴム引きコートの表の素材はコットンです。但し生地の裏側にゴムがコーティングしてあるので、他の綿素材と同じような高い温度でアイロンは出来ません。

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業務用のボイラーでつくられる蒸気をアイロンのレバーを調整しながら、アイロンを掛けていきます。
これはちょっとした職人技です。

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マッキントッシュのゴム引きコートは、先程お話ししたようにスレが起こります。
これは、濃色スプレーで補正します。

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スプレーで薄くなったところは、改善されます。
しかし、色が抜けてしまったら、染色する方法しかありません。

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ボタン回りはボタンを避けてアイロンします。

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ロゴマークもキレイになりました。

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防水テープの接着もキレイに修正されたようです。
マッキントッシュクリーニング(洗い)、防水テープの接着補修、アイロン手仕上げの
完成です。

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お手入れ

乾燥したヨーロッパで生まれたマッキントッシュのゴム引きコートは、高温多湿な日本の気候が嫌いです。普段のお手入れは、着用後はブラシをかけてホコリを取り払い、時々風通しの良いところで陰干ししてください。
食べ汚しやシミがついたらすぐにきつくしぼったタオルでたたいて汚れを取ります。決して強くこすらないように。強くこするとその部分が白化してきます。直接肌にあたるエリと袖口は、洗剤をつけ軽くタオルで拭き取り、きれいな水タオルで拭き取ります。

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