宝飾品のついたシルク素材のドレス衣装です。オーダーメイドや特別あしらえの衣装は洗濯表示タグなどは、ついていません。通常のクリーニング店ではクリーニングできない商品です。

クレアンでは、品物の素材、付属品、形状に応じて、様々な手洗い方法で「洗えないお品物」をクリーニングしています。

珍しいスワロフスキー・クリスタルであしらったスカル（ドクロ）の絵模様のTシャツです。エリ汚れ、ワキジミをとってほしいとの依頼です。

びっしりとクリスタルストーンが接着されています。ドライ溶剤では先着剤が溶けてストーンが剥がれてしまいます。クリーニング方法としては刺激をあたえないでする手洗いクリーニングです。

Tシャツの形を保ったまま、シャワーで汚れを洗い流します。洗いの最後までお品物を動かしません。

汗汚れのあるところは、石けん溶剤で優しくブラッシング。

首周りやわきの下など重点的にブラッシングを行います。

そしてシャワーをかけます。この洗い方のポイントは、洗浄機、脱水機の機械に入れない。手洗いでも、もまない、刺激をあたえないで汚れをとるために、最後まで形を変えないで洗うことです。簡単なようですが、こうした洗い方ができるクリーニング店はありません。

物理的な力が、衣類に加わっていないので、シワや形が乱れていないので、仕上げは軽くアイロンをあてることで終了しました。

ステージ衣装の石鹸液漬け込みクリーニングです。

大量の合成皮革の断片を立体的につなぎあわせて作られた衣装で、ビーズが貼り付けられています。ステージ衣装は、汗を大量にかいているので、石鹸液に漬け込みながらの作業です。

柔らかいナイロンブラシで表面をブラッシングします。優しくブラッシングするだけで汚れが落ちてきます。洗浄力の高い石鹸溶剤で漬け込み洗いをすることがポイントです。

裏にひっくり返しての作業です。

特殊な衣装なので、洗濯することがあまりないとのことで、裏地はそうとう汚れています。軽くブラッシングして除去しました。

最後にまたシャワーを掛けます。時間をかけてのすすぎです。

その後脱水機などは使わず、そのままハンガーにかけて水を切り、自然乾燥をいたします。

激しい動きのダンスは、一種のスポーツです。だから激しく汗をかきます。

ダンス衣装は、汗ばかりでなく、ファンデーションや激しく動く中でお相手の方の口紅などがつきます。100％天然石けんで洗います。合成洗剤は使いません。

お米の油脂から作られた天然石けんは、洗浄力が高く、汗、皮脂だけでなく、ファンデーションや口紅も落としてしまいます。

石けんは、敏感肌やアレルギーの方にも安心です。

最後にダンス衣装にお湯のシャワーを十分に浴びせてゆすぎます。

手洗いは終了。この後自然乾燥をして、仕上げの工程に回されます。

手洗いでしか洗えないお品物をクリーニングする。熱をかけない、繊維に物理的な負荷をかけない、乾燥機に入れて素材を傷めない。1点1点隅々まで手をかける。これが高級クリーニングと呼ばれる理由です。