手洗いによる汚れ除去
お馴染みのバーバリーロンドンのコットンコート。エリ、袖口がひどく汚れたお品物が届きます。コットン素材のコートをクリーニングに出しても、エリや袖の汚れが取れてこなかったという経験があるのではないでしょうか。ほとんどのクリーニング店ではドライクリーニングです。ドライクリーニングではこの汚れはほとんど取れません。またエリ汚れには皮脂汚れの油があるので、水洗いでも十分除去できないのです。
クレアンでは、洗浄力のある石けんで手洗いします。柔らかいブラシでブラッシングすることで、しつこい汚れが除去できるのです。時間も手間もかかることから、こうした手洗いで処理するクリーニング店はほとんどありません。
高度な染み抜き技術
赤いボールペンのシミです。これはドライクリーニングでも水洗いでも取れません。インク除去溶剤で、あらかじめインクを溶解させます。
しばらく経つと、インクが溶解してきます。インクは水溶性、油溶性など複雑な成分と染料が入っていますので、それに対応するインク除去剤を数種類使います。
ドライとウエットを組み合わせたW洗い
ここまでインクが溶けてくれば、後はドライクリーニングとウエットクリーニングを組み合わせて洗えばキレイになります。用途に合わせて業務用洗濯機が並んでいます。
漂白染み抜き
白のコットンパンツについたワインのシミ抜きです。飲料のシミはクリーニングしても必ず色が残ります。特に赤ワインは色がきついので、漂白して色を抜く方法しかありません。
部分的に特殊漂白剤を添付します。効果はてきめんでみるみるうちに赤色が消えていきます。
水洗いの革命マイクロバブルウオッシュ
マイクロバブルウオッシュの良さはなんといっても洗い終わった後の「さっぱり感」です。この濁ったように見える水は、超微粒子となった泡が水の中で集合してます。この泡が、衣類を痛めることなく汚れをスッキリ落としてくれるのです。
マイクロバブル(泡の微粒子)水は、繊維を膨潤させたりしません。ワッシャーで回転させても縮んだり形が崩れたりしません。マイクロ(超微細)な泡が、繊維の中に入り込んで、汗などの水溶性の汚れと汗に含まれる油脂を掻きだしてくれます。
汗汚れがとれないドライクリーニングとは違って、マイクロバブルウオッシュ洗浄はクリーニング後のスーツが軽くなる。袖を通した感触がスムーズ、さっぱり、服が軽く感じられます。
シャンプー洗浄と漂白
黄ばみの激しい白ジャケットが届きました。夏の時期どうしても汗をかいたジャケットは、クリーニングに出しても汗の成分が取れていないので、やがて服全体が黄ばんできます。
ハイブランドの洋服は、どのクリーニング店に出しても洗濯表示通りにドライクリーニングしか処理をしません。汗は水でしか除去できないのです。しかし繊細な衣類ですので、洗浄機に入れてガラガラ回すわけには行きません。
そこで行うのが、泡シャンプーによる手洗いです。用意された泡シャンプーに漬け込み、ブラッシングすると黄ばみも解けてきます。
更に、特殊漂白剤の溶剤に漬け込みます。ジャケットには、揉み込んだり叩いたりなどの負荷をかけません。シルエットは出来る限り動かさないことで、乱さないことが必要なのです。
すっかり白くなったジャケットの形やシルエットを整えながら手アイロンで仕上げます。
シャンプーとアクワシャワークリーニング
これは上着に嘔吐されたスーツのクリーニングです。食べ物の汚れですからドライクリーニングでは全く歯がたちません。洗浄力のある石けんでつくったシャンプー液に漬け込みながら、ブラッシングして汚れを落とします。
ゆすぎはまんべんなくシャワーをかけ、変色もしていましたので、特殊漂白溶剤を含ませて漂白します。この場合も、出来る限り衣類に刺激を与えない、負荷をかけないことがポイントです。
手洗いだからマルチな洗いが可能
スワロフスキーのストーンでドクロ模様をあしらったTシャツです。
ストーンは接着剤でつけられているので、ここでは泡シャンプーとアクアシャワーを組み合わせて、シャツを広げたままキレイに洗います。
婦人用ステージ衣装だと思われますが、これも洗うことのできない衣装です。ステージ衣装は汗を多くかくので、水洗いが理想的です。
角にビーズがつけられた合成皮革の小さなピースが縫いあわされて服ができています。これもシャンプーとアクアシャワーで洗います。接着剤が剥がれるのでドライクリーニングは厳禁です。
ビーズやスパンコール、いろいろな生地、素材が使われている衣装は、漬け込み洗いで処理します。ゆっくりと汚れが漬け込み液に溶け出してきます。
漬け込みシャンプー洗いなど、様々な洗い方を組み合わせて行うクレアンの衣類クリーニング。それは、衣類の美しいシルエットや風合いを崩さないで、いかに汚れを取るかということから考えだされた理想的な方法です。