手織り絨毯のクリーニング
インテリアである絨毯・ラグ・カーペットは、飲み物をこぼしたりして、染みがついてしまうこともあります。洗浄時に細かい染みをチェックして、一つ一つ手で除去していきます。
変色が進んでいる場合は、漂白作業となりますが、分厚い繊維の奥にまで入り込んでいる染みは除去が難しいものがあり、お客様のご希望により染色作業による修復も行っています。
絨毯クリーニングは使用する水が命です。水道水は使いません。カルキを含む水道水は、絨毯の洗濯には適していないのです。絨毯クリーニングでは、地下水脈から湧き出る大量の水を利用します。
上質な水で洗い流す絨毯クリーニング
絨毯の裏表とも、十分に水をくぐらせ水を含ませます。水が良いので、これだけでも絨毯についた汚れが浮いてきます。
毛織絨毯のポリッシャーで汚れをかき出す
ポリッシャーのブラシは、とても柔らかいものが使われ、繊維を傷めることなく繊維の中に入った汚れをかき出してくれます。
絨毯をひっくり返して、裏側もポリッシャーをかけます。厚地の生地である絨毯は、汚れが裏の方まで沈殿しているので、裏表をしっかり洗うことが大切です。
ポリッシャーを掛ける効果は、汚れをかき出すだけでなく、長く使っていたせいで固くなってしまった絨毯の繊維をほぐしてしなやかにする役目もあります。
毛織絨毯の房の洗浄
房(フリンジ)の部分は、ポリッシャーでは十分に洗浄できないので、高圧洗浄します。
そして手洗いで洗います。
房のヒモのからみを手でほぐす作業です。複雑に絡み合ってしまっている房が多いので、一つ一つ解いていきます。
そして、ふたたび汚れを高圧洗浄で洗い流します。このパワーシャワー機は水圧を調整できるようになっていて、使い道によって水圧を調節します。
手織り絨毯のクリーニングは、機械織りの絨毯と違って素材と織り方がそれぞれ違っているので、種類に応じて水圧を調整しながらかけていきます。最後のゆすぎは水量を最大限にします。そして水切り器で脱水しながら、大量の水を浴びせてゆすいでいきます。
水切り器で脱水をしたら、また大量の水を浴びせる。この繰り返しで、わずかに残った汚れや、洗剤をすべて除去してしまうのです。こうした洗い方で、高級素材の繊維に負担をかけることなく、汚れを取り、絨毯本来のしなやかさを取り戻します。
水を切り終わると、絨毯の鮮やかな色が出てきます。洗い工程の完了です。