ゴム引きコートの裏地防水テープ修理

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ゴム引きコートの裏地防水テープ修理

防水のゴム引きコートでも、縫い目から雨水が入ってくるのを防ぎようがないので、縫製したすべての縫い目に、防水テープを貼り付け完全防水として仕上げています。
テープが剥がれやすい箇所は、よく動く所・曲がる所(肩回りや肘)、湿気がこもるところ(脇の下など)です。

脇の下には空気穴が、その側の袖の入り口は丸く立体的にテープが貼られていますが、ボンドで貼り付けてあるので、接着剤の劣化とともに剥がれてきます。

防水テープのはがれが多いワキのした

脇の下、この部分は最も汗のかくところで、汗が酸化して接着剤の劣化が早くなります。防水テープのはがれは、マッキントッシュブランドのゴム引きコートだけでなく、他のエルメスやルイ・ヴィトン、グッチ等のブランドのゴム引きコート全てに起こる現象です。

ドライクリーニングするとテープが必ず剥がれる!

防水テープはゴム引きコートの縫い目のすべてに貼り付けられています。ドライクリーニングすると1回ですべてがはがれてしまって修理もとても大変です。だからゴム引きコートのドライクリーニング処理は厳禁です。

はがれたテープの接着剤を除去してから、耐久性の高い新しい接着剤を使用します。

カタチを整え、元のように貼り付けていきます。

クリーニングも終わり、ゴム引きコートの裏地防水テープは元のようになって完成です。

防水テープが接着しにくいゴム引きコートの補修

マッキントッシュ社製のマッキントッシュクロスを使って、各ブランド(ヴィトン・グッチ・エルメス・ポールスミス・セリーヌなど)がゴム引きコートを販売しています。
マッキントッシュ社製のゴム引きコートに比べて、各ブランドのコートは防水テープが比較的はがれやすい様です。

マッキントッシュクロスは、コットンの二枚の生地の間に液化した天然ゴムをのばして圧着し、熱を加えたものです。
マッキントッシュ社製ではないゴム引き生地の場合もあります。
このゴム引き生地の天然ゴムの劣化剥離が、コート表面から見るとシワの様に見え、よく見ると波打っていたり、ぽこぽこしていたりします。これはクリーニングでは直りません。

今回のヴィトンのコートは、防水テープを接着テープで接着した跡がありました。 また、品物によっては、一部が縫われているだけで防水テープが施されていないものもあります。

接着テープで接着してある場合は、綺麗にペロンと剥がれている所もあれば、接着素材が劣化でボロボロになっている場所もあります。
劣化した防水テープの剥がれは、品物や状態により、修理が難しい場合があります。
「布と布」を接着するのは比較的容易です。しかし、「布と劣化した接着剤」もしくは「劣化した接着剤と劣化した接着剤」を接着するのは難しいのです。

また、製造段階で使われている接着剤(又は接着テープ)を全て剥がしきるのは難しいことがほとんどです。
そのため、接着剤(又は接着テープ)の上からでも接着できるような、特殊な接着剤で修理しなくてはいけません。
接着剤をたくさん塗ってしまうとシミになるので、適量を見極めて塗るのがポイントです。

使用する特殊な接着剤は、異なる2種類を使用します。
まず最初の接着剤を、染みないよう布側に、気を付けて塗っていきます。
テープは薄い布なので、テープ側に接着剤を塗ってしまうと染みてきてしまいます。
そこでコートの布側の方に接着剤を塗り、裏にも表にも接着剤のシミが浮き出ないように気を付けて接着します。 これは、コートの布側にはゴムが入っているので、染みにくいためです。

次の接着剤を塗った後に、テープを、最初はサッサッと払うように軽く抑えます。 強く抑えてしまうと指の跡で白くなってしまうので、ごく軽く抑えながら整えます。

着用していると避けようのない裏地防水テープのはがれ

防水テープの劣化は、乾燥したヨーロッパでは比較的少なく、日本のような高温多湿の気候が接着剤の劣化を早め、汗が更に悪くするのです。

元の防水テープが劣化してダメになっている場合は、新しい接着テープを用意して貼り付けます。

接着剤付きの防水テープにアイロンをかけ、接着を固定します。

防水テープの修理は、袖の裏まで含めてすべての部分を修理、修復してから、全体の仕上げへと続きます。納期はクリーニングを含めて1ヶ月以上掛かります。