自分で染め直して失敗してしまった靴
今回は、お客様がご自身でスプレーで途中まで染め替えをされ、左右違う色になってしまったというスウェードブーツの染め直しのご依頼です。
下の左側ビフォー画像のブーツの、左足の色(キャメル色)に合わせたいとのご希望でした。
左右でかなり色が違ってしまっているのと、暗めのお色をそれよりも明るめのカラーに染め直すということで、少し難しい作業となります。
ご依頼のブーツは、市販のスプレーで染め替えの加工をされたとのことで、表面の素材(起毛)が既に固まっている状態でした。
まずは表面の処理、その後、調合した染料で染色
そのため、現状のままでは加工できず、またシンナー等の薬品では毛が潰れて固まってしまい落とせないため、まずは両足とも固まっている表面の部分を削り落とすことに。
その後、ご希望の色に近い色合いを調合していき、染色作業となりました。
左右の色が揃い、違和感のない仕上がりに
今回の作業工程では、できるかぎりナチュラルに仕上げるよう工夫はするものの、革質や染料の染み込み具合によっては地色が響いてしまい、色濃く、ムラっぽい(濃淡が生じる)仕上がりになったり、風合いが変化する可能性がありました。
実際に仕上がった様子を見ると、表面はややマットな印象ですが、左右の色の違いなど、心配のあった違和感はほぼありません。
ご依頼の際に、「捨ててしまおうと思っていた」とのことでしたが、お品物自体はしっかりとしていたので、まだまだ履いていただける状態まで回復しました。
クレアンの靴クリーニングと修理は、革製品の製造技術者がメンテナンス・修理を行っています。
世界中のブランド革製品の素材や製造工程を熟知している職人が、高度で専門的な染色作業を丁寧に手作業で施します。
「やってしまった!」というとき、またはご自分でなんとかしようとなさる前に、お気軽にクレアンにご相談ください。