世界の中でも、ロイヤルウェディングといえばやはりイギリス王室ではないでしょうか。
世界でも人気が高い、伝統ある英国王室にメンバー入りするお披露目の晴れ舞台。
世紀の美しい花嫁に世界中の注目が集まるので、人々の記憶に残るような最高のプリンセスを演出するための最高のウェディングドレスが用意されます。
極秘に選ばれたデザイナーにより創り出されるドレスは、時代や個性に合わせたプリンセスの姿を輝かせ、息を吞む見事な美しさです。
今回は、そんなイギリスのプリンセス達の最高のウェディングドレスの素材や舞台裏、そして高級クリーニング店クレアンの実際のウェディングドレスクリーニングの様子をご紹介したいと思います。
世界中が注目する英国王室のウェディングドレス
今年の5月19日(現地時間)、世界中が見守った、イギリス王室のヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディング。
当日まで、披露宴のメニューやメーガン妃が着用するウェディングドレスについてなど、様々な噂が飛び交いました。
登場したメーガン妃が身に着けたのは、ボートネックと美しいウエストのくびれが印象的なソフトマーメードライン、マットシルクの真っ白なシンプルなドレス、さらにそれを引き立てる長さ5メートルにも及ぶ優雅な長いベールの、ジバンシィ初の女性でイギリス人デザイナー、クレア・ワイト=ケラーによる作品でした。
エレガントなレースが印象的なキャサリン妃のドレス
一方、2011年にウィリアム王子と結婚したキャサリン妃が選んだのは、やはりイギリス出身の、アレキサンダー・マックイーンのデザイナー、サラ・バートンが手がけたものでした。
その上品でクラシカルなシルエットは、有名なグレース・ケリーのウエディング・ドレスやエリザベス女王のウエディング・ドレスともよく比較されました。
素材はシルクサテンで、そのエレガントなレースはフランスレース、用いられたフラワーモチーフは、ローズ(イングランド)、アザミ(スコットランド)、スイセン(ウェールズ)、シャムロック(アイルランド)という4地域の国花があしらわれ、英国そのものを象徴しています。トレーンの長さは3メートル。
ロイヤルウェディング史上最長のトレーン、ダイアナ妃のドレス
悲劇のヒロインとなってしまったダイアナ妃。
当時20才だったダイアナ妃のウェディングドレスは、大きく膨らんだパフスリーブがふっくらとしてかわいらしい印象で、その可憐な姿に憧れた女性も多いのではないでしょうか。
素材はイギリスのシルク工場で製作されたシルクタフタにアンティークのレース、1万個もの真珠がひとつひとつ手縫いで施され、エリザベス・エマニュエルのデザインの作品でした。
なんといってもウエディング史上最長の8メートルのトレーンが話題になりました。
イギリスの“再生と成長”の象徴、エリザベス女王のドレス
エリザベス女王のドレスは、イギリス王室御用達の デザイナー、ノーマン・ハートネル氏によるもので、アイボリーのシルクサテンに1万個を越える小粒パールと星型のクリスタルで「ジャスミン、クサナギカズラ、パラゴムノキ、バラのような花」の模様を縫いつけられたドレスに、4mほどのトレーンをつけたもの。
ハートネル氏は、ウェディングドレスに豪華な装飾を施さず、代わりに春の草花をイメージした刺繍をあしらうことで、戦後のイギリスの「再生と成長」のメッセージを託そうと考えたとか。
当時は第二次世界大戦直後で、緊縮財政政策下にあったため、女王も自分の衣類用の配給切符を貯めて衣装を作ったという逸話があります。
“ものを大事にする”文化で重用される、ドレスの素材
高級生地の王道、シルク素材
どのドレスも思わずため息が出るようなゴージャスさで、そのほとんど全てが、素材はシルクで作られています。
化学繊維と天然素材との大きな違いは、素材の光沢と張り、シャリ感があること。
シルク素材のドレスは、素材を活かすために装飾も控え目でシンプルなデザインが多いようです。
シルクは様々な国で生産されており、国ごとに特色があり、その質や織り方など、好みによって選ぶ事ができます。
骨董としての価値も高い、アンティークレース
また、英国は、“ものを大事にする文化”があるため、上質な品物を代々仕立て直して大切に使うことに価値を見出します。そこで、ウェディングドレスでは、いかにアンティークレースをふんだんに使うかが見所であったりするようです。
アンティークレースはそのほとんどがコットンやリネン、シルクなどの天然素材で出来ており、編まれているモチーフにもそれぞれ意味が込められていることも多く、かつては、ヨーロッパの王侯貴族たちの間で、富と権力の象徴ともいわれていました。
英国のロイヤルウェディングでも、アンティークレースが用いられ、国を象徴するようなモチーフが採用されています。
華やかなロイヤルウェディングの舞台裏
プリンセス達のハプニング
そんな繊細な素材でできているドレスですが、トレーンや裾、ベールはどうしても引きずるため汚れやすく、おそらくお披露目のパレードや移動であちこちをドレスで歩き回るプリンセスたちのドレスも、かなり汚れたのではないかと思われます。
またダイアナ妃は式の前にドレスに香水をこぼしてしまい、式の間中そのシミを誰にも見つからないように祈りながら手で掴んで隠していたんだとか。
また、ドレスが大きすぎ、移動の馬車から降りる時にはシワシワになってしまっていたそう。
ウェディングドレスの舞台裏
クレアンにやってくるドレス達も、やはり気をつけてはいても、トレーンや裾、ベールは黒ずんだ汚れが、また、食べ物や飲み物などのシミが残っていることが多いです。
特に最近は海外で結婚式を挙げるのがトレンドで、屋外で撮影をする事も多く、その際にどうしても汚れてしまうようです
また、素材がシルクなだけではなく、豪華にちりばめられたスパンコールや真珠、レースなどの繊細な装飾が決め手のウェディングドレスは、ちょっと洗ったり、というのが出来にくいお品物です。
結婚式後も世界中の博物館などで公開されているロイヤルウェディングドレスですが、キレイに保つために、おそらく相当気を使ってクリーニングやメンテナンスがなされたと思います。
英国王室御用達「ロイヤルワラント」の高級クリーニング店「Blossom & Browne’s Sycamore」
英国王室御用達認定「ロイヤルワラント」とはその名の通り、イギリス王族により御用達の認定を授かることで、その歴史は古く、商人が君主の礼服、勲章を作り、宮殿の天井の修復や壁などのペンキ塗りに至るまで さまざまなきめ細かいサービスを提供した報酬として与えられたのが始まりです。
現在では約800の企業や個人が認定を受けており、近年では、王室の紋章を商品やパンフレットに利用するなど、日本の皇室御用達とは大きく異なり、幅広く用いられています。
現在、認定できるのは、エリザベス2世女王とその夫のフィリップ (エディンバラ公)、そしてチャールズ皇太子のみで、3人揃っての認定を授かっているのは僅か10件前後となっています。
このかなりレアな3つの紋章を冠しているのが、1888年創業のイギリスの高級老舗クリーニング店、「Blossom & Browne’s Sycamore」です。
クレアンと同様、特別な洗剤を使い生地を傷めない特殊な水洗いも特色として挙げており、おそらく上記のロイヤルウェディングのドレスや王族が着用する特別な衣装、また宮殿のインテリアファブリックなどもメンテナンスされているのでしょう。
繊細なウェデイングドレスは高級クリーニング店でどのように洗われるの?
やさしい泡でブラッシング&手洗い。クレアンの「アクアシャワー洗浄」
シルクのような上質な素材や、アンティークレースなどの特別な装飾がふんだんに使われるウェディングドレス。
この、一生に一度と言われる特別なドレスは、実際にどのようにクリーニングされるのでしょうか?
ウェディングドレスは多くの種類があり、同じものがふたつとないオリジナルのドレスです。
素材の生地も、シルク、合成繊維、サテン、チュール、オーガンジーなどその組み合わせは限りなくあります。
ウエディングドレスのタイプも、Aライン、プリンセスライン、エンパイア、ベルライン、スレンダーなど形も豊富です。
また、装飾も多く、手の込んだ刺繍にビーズ、スパンコールなどがあしらわれており、ドレスのクリーニングも、そのような複雑で繊細な素材や形に合わせて行わなければならないので、洗浄機では洗えず、どうしても手洗いが中心となります。
日本の高級クリーニング店であるクレアンの「アクアシャワー洗浄」は、生地を傷めず、かつ石鹸の洗浄力を最も高める水温も重要で、40度の温水のシャワーでドレスになじませ、石鹸バブルとブラッシングによる手洗いクリーニング技法です。
石鹸バブル(泡)が十分にドレスに染みこんだら、つぎにウェディングドレス全体をブラッシングしていきます。
汚れの箇所を見つけ、軽くブラッシングするだけで、トレーン裏の黒い汚れなども除去されます。
落ちにくいワインや食べ物などのシミや、ファンデーションの汚れ、引き裾裏の汚れは、個別にシミ抜きを施します。
ドレスクリーニングの洗いの仕上げには、最後に大量のシャワー水が掛けられ、汚れが石鹸とともに洗い流されます。
ウェディングドレスは「純白の白さ」を際だたせるためにツヤ出しを、またカラードレスは「鮮やかさ、しなやかさ」を保つために、補色・リンス加工などの方法でクリーニング処理します。
クレアンのウェディングドレスクリーニング✳︎詳しくはこちら
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低温乾燥室でじっくり乾燥、二人掛かりの手アイロンでの仕上げ
遠赤外線の低温乾燥室でじっくり乾燥します。
繊細な衣類のクリーニングでとても大切なことは、ワッシャーなどでドレスを撹拌しないこと、洗いから乾燥まですべて低温で処理をすることです。
ウェディングドレスの美しいシルエットを復元するアイロン掛けです。
仕上げは広範囲になり、アイロン台を使用出来ないためプロが二人がかりで作業していきます。
クレアンのウェディングドレスクリーニング✳︎詳しくはこちら
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真空パックで10年間美しく保管が可能
ウェディングドレスのクリーニングが完成し、最後の検品を経て、お客さまに届けられます。
ご自宅での保管が大変なウェディングドレスには、付属品と一緒に10年の長期保管が可能な真空パックが安心です。
クレアンのウェディングドレス真空パック✳︎詳しくはこちら
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価値あるお直し。大切なウェディングドレスのリメイク
ウェディングドレスで、“幸せのリメイク”
保管するだけじゃもったいない。
思い出の素敵なウェディングドレスを、上質な品物を代々仕立て直して大切に使う、英国の”ものを大事にする”文化にならって、リメイクするのもおすすめです。
上の写真は、かつて結婚式で着用した想い出のウエディングドレス1着から、お母様用のパーティードレスと3歳のお嬢様用のベビードレス2着へのリメイクを承った際のドレスです。
1着のドレスから、こんなに素敵なドレスが合計3着も仕上がりました!
完全オーダーメイド、英国風に言うと「ビスポーク」です。
一流のデザイナーが、限られた少量の生地からでも、各パーツのパターンを組み合わせて配置、裁断し、生地を無駄なく使用する事で、ベビーサイズのドレスや、セレモニードレスなどは、かなりボリュームのあるデザインでも制作が可能になります。
ウェディングドレスリメイク詳しくはこちら→”re✴︎ange(リアンジェ)”