UVカットの衣類はクリーニングしても大丈夫?

今年も紫外線が気になる季節になってきましたが、日焼け対策はしていますか?
洋服を購入するときに、タグをチェックしてみると「UVカット」「紫外線カット」などと書かれていることがあると思います。

着るだけで日焼けを予防できるなら嬉しいですが、

・そもそもどうやって紫外線をカットしてるの?
・洗濯やクリーニングで効果が落ちることはないの?
・一般の衣類とは違うの?

などなど、気になることもあります。
今回はUVカット衣類について見ていきましょう!

UVカット(紫外線カット)衣類の仕組み


「UVカット効果」などと書かれているタグは衣類の他にも日傘や帽子にもよくついていますね。
衣類(生地)で紫外線をカットできる仕組みには次の3種類があります。

微粒子を生地に練り込む

紫外線を吸収・乱反射させる効果がある酸化チタンや特殊セラミックの微粒子を生地の繊維に練り込むことによって、肌に届く紫外線量を大幅にカットする方法です。

後から紫外線カット効果を加えるのではなく繊維に練り込む方法ですので、着用やお洗濯によっても効果が落ちにくく、現在もっとも多くのUVカット衣類で使用されている方法です。
光の透過も少なくできるので、暑い夏に適した薄い生地でも透けにくくなるというメリットもあります。

 

糸の形状で光を反射させる

生地を織るときに使用する糸の断面は、通常は丸型になっています。
この糸の形状をあえて三角、星形、T字などに加工することで、糸の表面から紫外線の透過量を減らすUVカット方法です。
糸そのものに太陽光を通さない加工をして糸形状を変えることで、さらにUVカット性能を高めることもできます。

糸形状を変えてあるUVカット衣類には、
・繊維が空気を含みやすいため軽い
・吸水性が高く汗によるベタつきを軽減できる
・光を乱反射するため光沢を得られる
・防透け性がある

などのメリットもあります。

 

生地の織り方でUVカット

こちらは繊維にUVカットをするという方法ではなく、糸から生地を織るときにあえて凹凸のある形状にすることで太陽光を反射するようにして、肌に当たる紫外線量を減らす方法です。

たとえばポロシャツ。ポロシャツには鹿の子という織り方の生地がよく使われています。
鹿の子はTシャツなどの生地よりも凹凸が多くなっているので、紫外線カット効果が期待できるということになります。

薄手のサマーニットニットなどは一般的な生地と比べると透け感が高く太陽光を通しやすくなっていますがが、織り方を変えて生地表面をでこぼこにすることで紫外線をカットしやすくなります。

また、生地を織るときに密度を上げることで紫外線を通しにくくするという手法もあります。隙間を減らして太陽光の侵入を防ぐイメージですね。
ただし、この方法は生地が重く厚くなってしまうため、通気性も下がり夏場の衣類には適していません。

 

紫外線カット素材と紫外線カット加工素材


紫外線カット効果には「紫外線カット素材」と「紫外線カット加工素材」があるのですが、この2つには大きな違いがあるんですよ。

紫外線カット素材とは?

紫外線カット素材は、生地そのものに紫外線カット効果があるものになります。
ご紹介したような紫外線カット(UVカット)効果がある微粒子を生地に練り込んだり、繊維の形状を変えてある生地などはこちらの紫外線カット素材に該当します。

紫外線カット素材は生地自体に紫外線をカットする機能が備わっているため、繰り返しの着用や洗濯、直射日光でも効果が弱まりにくくなっています。

 

紫外線カット加工素材とは?

紫外線カット加工素材は、生地に紫外線カット効果がある成分を吹き付けるなど、UVカット機能を後付けした素材になります。
例えば、綿、麻、ウールなどの天然繊維でできた生地に紫外線カット効果のある成分を吹き付けたものなどですね。

こちらの場合は生地が天然繊維なので肌にもやさしく着やすいというメリットはありますが、紫外線カット効果は後付けになるので、着用と洗濯を繰り返すことでUVカット効果はだんだんと弱くなってきます。
目で見てわかるものではないので効果が落ちていることも実感しにくいのですが、紫外線カット加工製品の効果はワンシーズンとも言われています。

 

紫外線カットスプレーもあります


お手持ちの衣類に紫外線カット効果をプラスしたいときや、紫外線カット加工素材の効果が気になってきたら、ご家庭で使用できる紫外線カットスプレーもありますよ。

お気に入りの衣類にシューっとスプレーするだけなので使い方は簡単です。
ご家庭用ではありますが効果は非常に高く、紫外線カット率が82.0%の綿100%生地にスプレーすると、99.0%までカット率が上がっています。
また、もともと綿よりも紫外線カット率が高いポリエステル100%生地(紫外線カット率86.0%)にスプレーすると、95.0%まで上がっています。
<参考>KAWAGUCHI:衣類・布にスプレーするだけで、紫外線対策!

お手持ちのアイテムに手軽にUVカット効果をつけることができるので重宝しそうですね。

 

クリーニングとUVカット

クリーニングによるUVカット効果の弱まりはお洗濯と同様で、紫外線カット加工であればウェットクリーニングでもドライクリーニングでも落ちることはありません。

UVカット効果が後付けされた紫外線カット加工素材の衣類はもともとUVカット機能の寿命が短いため、クリーニングによって効果が弱まる可能性もありますが、1回のクリーニングによって大幅に落ちるというよりも経年変化の方が大きいかと思います。

 

紫外線カット素材と紫外線カット加工素材はどちらがいいの?


UV対策としては紫外線カット効果が高く長持ちする紫外線カット素材の方が優れています。
一般的には紫外線カット加工素材よりも価格が高くなってしまうというデメリットもありますが、価格が多少上がっても効果が何年も持つと考えたらサステナブルとも言えるでしょう。

紫外線カット加工素材の衣類は綿、麻、ウールなどが多いので、肌触りが良く衣類としては何年も着用することができます。
ただし、紫外線カット効果はワンシーズンと考えると、UVカット効果を期待したい長袖の羽織り物などには向いていないかもしれません。

衣類によって欲しい効果を考えてみると、ご自分にぴったりのアイテムがわかると思います。

 

洗いにくい衣類のクリーニングはクレアンにお任せ下さい!


夏場にたくさん着まわす衣類は汗を吸いやすいのですが、ハイブランドのポロシャツや薄手の羽織り物はいつもどおりのお洗濯をしてしまうと縮んでしまうこともあります。
首の日焼け防止に大活躍するシルクやレーヨンのスカーフもお洗濯に不安がある方も多いという声をよく伺います。

こういったご家庭で洗いにくい衣類やファッション小物は、高級クリーニングのクレアンにお任せ下さい。
クレアンはお送りいただいた衣類を1点ずつ拝見させていただいて、素材に合わせた方法で洗っております。
縮み、色落ち、ダメージなどの心配なく落としたい汚れをしっかり落とせますので、スッキリと着用していただけますし臭いもリセットできます。
UVカット素材の特徴を知って、暑い夏を快適に過ごして下さいね。