高級クリーニング店が教える、カシミヤ、ウールの家庭でできる水洗い、普段のお手入れ。

幅広い人気の天然素材、カシミヤ、ウール

カシミア ウール

今年の冬は寒かったですね。
東京で48年ぶりに最低気温が氷点下4度まで下がった日もありました。
ダウンやコートが大活躍でしたが、インナーとしてウールやカシミヤなどの天然素材は、暖かさの機能性や見た目も華やぐことからどなたも必ずクローゼットにお持ちなのではないでしょうか。

なめらかな肌触りのカシミヤ

カシミア
カシミヤ繊維は、寒暖の差が激しい高地や山岳地方で生育するカシミア山羊の毛です。

カシミヤは肌に近い部分に生える少量の毛のみが使われるため、1頭当たり約100g程度しか得られない貴重なものです。
セーター1枚に約4頭分、コート1枚では約30頭分のカシミアの毛が使われています。また、産地・年齢・生育環境などで品質が異なり、色が白いものほど高価とされています。
細さや長さでもランク分けされ、そのランクによっても価格が大きく異なります。

カシミヤお手入れの基本はブラッシング

カシミア お手入れ

そんな、希少で高価なカシミヤ衣類
軽く柔らかく暖かく、そしてその美しさもまた魅力ですよね。

その上質さゆえに、擦れによる毛玉や水に弱いなど扱いはデリケートで、家庭でのお洗濯は難しいとされています。
普段のお手入れは、着用したあとにブラッシングするだけでもかなり違います。
それだけでほこりが落ち、毛並みも整い風合いが戻ります。

また、数回着て毛がへたってきたら、アイロンを生地には直接あてずスレスレで浮かしてスチームを当てます。
蒸気で毛が起き、クリーニングのような仕上がりに。
ただし、汚れがある場合その部分にはスチームは当てないようにしましょう。

オールラウンダーのウール

ウール クリンプ
カシミヤよりは一般的な素材と言えるウールですが、その暖かさや幅広いデザイン性で広く普及しています。

ウールと人類との歴史は長く、古くはギリシア神話に出てくるように長い間愛されてきました。

ウールは天然繊維の中で最も温度変化の影響を受けにくい性質があります。
高い吸湿性があり、湿気を吸収すると発熱します。
クリンプというバネのように弾力のある神秘的な縮れが、温かな空気の層を作っています。

そのように素晴らしい保温素材であるウールですが、汚れるとクリンプの弾力性が弱まり保温性も低下します。
適切なお洗濯やクリーニングにより汚れがとれると、またふっくらとした温もりがよみがえります。

気難しいウールのお手入れ

気軽に着れるのはいいのですが、お手入れはデリケート
気をつけて手洗いしても縮んでしまうことがあったり、すぐに毛玉ができたりとお手入れに手がかかりますよね。

表面が汚れてくるのは主にホコリなどが原因
ウールのニット類は手洗いや洗濯機のドライコースなどで洗えるものもありますが、コートなどは着用後にブラシをかけるだけでもだいぶ違います。

また、袖や襟の黒ずんだ汗、皮脂汚れには水を硬く絞った布でたたき拭きをします。
水シミにならないよう、布はよく絞り、たたく→乾かす→たたくと繰り返して汚れを拭き取りましょう。

ご家庭で手洗いする際の注意事項

ウール お手入れ

洗いもすすぎも30度くらいのぬるま湯を使いましょう。
汚れも落ちやすく、縮れも防ぎます。

また、編み目がざっくりしたものは縮みやすいので、クリーニングをおすすめします。
おしゃれ着用の中性洗剤を使いやさしく手でつかむ様に洗いますが、汚れを強く揉んだりすると毛玉や伸縮の原因になるのでご注意を。

脱水は短めに、10秒脱水→一時停止を2〜3回繰り返します。
一時停止の時に取り出し、衣類を軽くほぐして形を整えてから再び脱水するとシワやよれが防げます!
その後、形を整えて平干ししましょう。

天然素材も水洗いクリーニングでスッキリと美しく

カシミヤやウールなどは、汗汚れがついていても、型崩れせずに水洗いするには技術も手間も必要なため、クリーニング店ではドライクリーニング対応となってしまうことがほとんどです。

ですが、油性の溶剤での洗浄であるドライクリーニングでは落とすことのできない、水溶性の汗などの汚れは毎年ドライクリーニングに出していても変わらず蓄積されていき、どこか重くべたっと感じられたりします。

クレアンでは、革新的な『マイクロバブルウォッシュ』で丸洗い

マイクロバブルウォッシュ1

クレアンのクリーニングでは、ドライクリーニングとは違い、『マイクロバブルウォッシュ』という特殊な技術を使ってウールやカシミヤなどのデリケートな高級素材水洗いします。

『マイクロバブルウォッシュ』とは、洗浄に適した天然水を使い、超微粒子の泡を生成します。

上の写真では、洗剤で水がにごったように見えますが、実は洗剤ではなく、これが超微粒子の泡によるものです。
この超微粒子の泡は『マイクロ(ミリの0.001倍)』の名の通り、あまりにも小さな泡なので、この泡は繊維の奥まで入り込むことができ、汗や汚れを繊維から追い出してくれるのです。

マイクロバブルウオッシュは水洗いですが、繊維を取り囲むのは、水そのものではなく泡の微粒子です。
水が直接繊維に触れることが少なくなることで、水による繊維に対するダメージが限りなく小さくなるので、洋服の縮みや型崩れ、風合いを変えることなく洗い上げます。そして微粒子の泡が、汗汚れやしつこい汚れも取り除いてくれます。

職人の腕の見せどころ『仕上げ』

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繊細な泡ですっきりと洗ったあとは、丁寧な仕上げを施します。

職人により、噴出する蒸気の量やプレスの圧を微妙に調節しながら、手仕上げでアイロンをかけます。
一般のクリーニング店では、プレス機による機械仕上げであることがほとんどです。

ウールは熱に弱いので、乾燥は低温であることが大切です。
また、扱い方により伸び縮みして型崩れしやすいので、乾燥前の脱水は短めにすること、また、手アイロンの蒸気や、必要に応じてバキュームを使うなど、職人の見極めと技術で仕上がりに差がつきます。

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ウールやカシミヤのお手入れで一番気になることの多い毛玉やほつれ
ファッションケアクレアンでは、もちろん毛玉取りやほつれのお直しのサービスもしています。
(※程度によってご対応できかねる場合があります。)

毎日のお手入れと、シーズンオフ前のお手入れで暖かさも美しさも長持ち

上質で着心地がいいけれど、扱いは繊細な大切な高級衣類は、型崩れすることなくスッキリ軽く、次の冬も変わらず温かく美しく着たいものです。
クローゼットでお休みさせる前に、ぜひ一度お手入れくださいね。

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