少し前の話になりますが、10月25日(火)に放送された「マツコの知らない世界」をご覧になりましたか?
「洗濯の世界」と題してメディアでもおなじみの洗濯ブラザーズさんが出演されていて、どのような内容なのか私も楽しみに拝見しました。
このページの目次
難洗衣類のBarbour(バブアー)オイルドコートとMACKINTOSH(マッキントッシュ)ゴム引きコート
コーナーの中で、
・Barbour(バブアー)のオイルドコート
・MACKINTOSH(マッキントッシュ)のゴム引きコート
のクリーニングについて紹介されていました。
オイルドコートとゴム引きコートは家庭の洗濯機で洗うことはできません。手洗いも不可です。
クリーニング店はどうかというと、9割以上のお店で断られてしまうと思います。
クレアンにはバブアーのオイルドコートとマッキントッシュのゴム引きコートをご依頼下さるお客様もとても多いので、この機会にご紹介させていただきますね。
Barbour(バブアー)のオイルドコート
出展:Barbour
バブアーのオイルドコートはワックスジャケットとも呼ばれていて、その名称どおりコートの生地にオイル(ワックス)が塗り込まれているのが特徴です。
バブアー社はイングランドの衣類ブランド。1894年にジョン・バブアーによってサウスシールズで設立されました。
この地域は寒さが厳しく風が強く天候も不安定なところで、地元の湾岸労働者や漁師、水夫たちは雨風をしのげる衣類を求めていました。
バブアーはワックスで布をコーティングして、防水性・防風性に優れたワックスドクロスを開発しました。
これがバブアー オイルドコート・ワックスジャケットの始まりです。
なぜオイルドコートはクリーニングできないの?
クリーニング店でコートをお預かりする場合、ほとんどのケースで「ドライクリーニング」で洗います。
ドライクリーニングは型崩れが気になる衣類に用いられるのですが、オイルドコートはドライクリーニングができません。
ドライクリーニングに用いる溶剤は油溶性のため、コートのオイルをサッパリと落としてしまうのです。
オイルを再度塗布することは可能なのですが、一般のクリーニング屋さんでここまでやってくれるところはまずありません。
MACKINTOSH(マッキントッシュ)のゴム引きコート
出展:MACKINTOSH
マッキントッシュ社のゴム引きコートは、1823年のロンドンでチャールズ マッキントッシュが発明した防水布の「マッキントッシュクロス」から誕生しました。
ロンドンは曇りの日が多いことでも知られていますが、当時のロンドンっ子も雨をしのぐことに苦労していました。
マッキントッシュクロスは2枚の薄い布の間に天然ゴムが塗ってあり圧着してある布です。水を浸透させない天然ゴムを薄く塗り広げることで高い防水性を保っているのです。
この生地をコートに仕立てたのがゴム引きコートで、生地の縫い目には裏側から防水テープを貼ってあります。このテープは特殊な接着剤を使って手作業で取り付けます。今でも職人さんがローラーを使ってコロコロと接着しているんですよ。
ポケットにも水が入ってこないように縫製ではなく接着になっています。
高い機能性とイングランドらしいお洒落さをどこまでも追及してあるコートなんです。
なぜゴム引きコートはクリーニングできないの?
ドライクリーニングをしてしまうとコートの接着剤が溶けて落ちてしまうので、ゴム引きコートにドライクリーニングは厳禁です。
1度のドライクリーニングで防水テープが全部はがれてしまいます。
なぜ水洗いしないの?
バブアー オイルドコートもマッキントッシュ ゴム引きコートも、ドライクリーニングができないとお伝えしましたが、じゃあウェットクリーニング(水洗い)すれば良いと思いませんか?
しかし、ウェットクリーニングにはリスクもあります。
オイルドコートを水洗いするとオイルがまばらに落ちてしまいますし、ゴム引きコートもゴムが部分的にはがれてしまいます。
そもそもウェットクリーニングができない衣類に用いるのがドライクリーニングなので、ドライ処理ができない衣類をウェットクリーニングに切り替えることは一般のお店ではできないのです。
ちなみにバブアー オイルドコートもマッキントッシュ ゴム引きコートも洗濯表示は水洗い不可となっています。
▼バブアー オイルドコートの洗濯表示
▼マッキントッシュ ゴム引きコートの洗濯表示
しかし、日本人はとくに清潔好きですし匂いにも敏感です。
コートを洗わずに着続けることには大きな抵抗と不快感があるのではないでしょうか。
クレアンならウェットクリーニングで洗えます!
クレアンではバブアー オイルドコートもマッキントッシュ ゴム引きコートもウェットクリーニングで洗えます。
クリーニングというと、大きな工場で大きなマシンを使って大量に処理するというイメージなのではないでしょうか。
クレアンではお預かりしたコートを熟練の職人が1点ずつ丁寧に手洗いします。
使用する洗剤は洗浄力が強いのに、生地を傷めないように開発された洗剤です。
コートに付着する汚れの多くは酸性の汚れなので、アルカリの性質を持つ専用の洗剤はとてもよく汚れを落とします。
オイルドコートのクリーニング
バブアー オイルドコートのクリーニングをご依頼下さるお客様の悩みは「とにかく匂いをどうにかしたい!」「汚れが目立ってきた」ということ。
オイルが酸化した匂いと、なかなか洗えないことによる匂いが混ざって、周りに迷惑なのではないかと気になって着用できないという声も多いんです。また、洗っていないので汚れも蓄積されてしまいます。
クレアンでオイルドコートを水洗いすると、蓄積されていた汚れと匂いが落ちてサッパリと仕上がります。
「洗う前よりもコートが軽くなった」というご感想をいただくことも多いんですよ。
しっとりとしたオイルドコート特有の質感を出すために、オイルを再度塗布するリプルーフ(オイル再加工)も承っています。
クレアンで使用するオイルは、オイルドコート専用に植物性オイルと動物性オイルを配合した特別なものです。
向かって左側がリプルーフ前、右がリプルーフ途中です。
見た目がまったく違いますよね。でも、作業はまだまだ続きます。
もっとオイルを重ねて深みを出すのですが、1度にたくさんのオイルを塗るとシミになってしまいますので、塗っては乾かして・・・と少しずつ何度も塗っていきます。
なお、マツコの知らない世界ではスポンジを使ってザーッとオイルを広げていましたが、クレアンでは限られた職人しかできない技術で何度も何度も薄く重ねています。
企業秘密なので詳しい方法はお伝えできないのですが、時間をかけて丁寧に作業させていただきます。
ゴム引きコートのクリーニング
ゴム引きコートも特別に調合されたゴム引きコート専用の洗剤で手洗いします。
マッキントッシュクロスは非常に特殊な生地なので、汚れが気になるからといって強くこすってしまうと白っぽくなってしまいます。
やわらかいナイロンブラシを使って、優しく丁寧になでるように洗って根気よく汚れを落とします。
防水テープのはがれが気になる場合は補修も承っています。
はがれてしまったテープの接着剤をキレイに除去してから、耐久性が高い新しい接着剤でテープをとめます。
こちらはルイヴィトンのゴム引きコートのテープ剥がれです。
接着剤を除去して、丁寧に貼り付けます。
オイルドコート・ゴム引きコートのクリーニングはクレアンにお任せ下さい
クレアンは全国どこからでもご利用いただける宅配クリーニングです。
洗えないコートでお悩みでしたら、お気軽にご相談下さいね。
汚れをサッパリと落として気持ちも軽くお気に入りのコートを楽しみましょう♪