クレアンのしみぬき工程のご紹介
フランス産ワインの新酒「ボジョレー・ヌーボー」の販売が11月16日に解禁されました。
近年は商戦が落ち着き、輸入量も減少傾向にあるそうです。それでもやはり「ボジョレー」と聞くとこの時期の風物詩というか、もうすぐ師走だなあという感覚にかられます。
ボジョレー・ヌヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方南部に隣接する丘陵地帯・ボジョレーで生産されるヌヴォー仕様の赤ワインだそうです。
おいしい、赤ワイン、最高ですよね。
ですが、飲んだ時に、こぼしてしまった、そんな経験はみなさんありますよね。
洗濯しても落ちないシミは「赤ワインの成分「タンニン」や「ポリフェノール」が影響しています。
いろんなお酒の種類がある中で赤ワインにだけ含まれている成分「タンニン」。
実はこの「タンニン」ポリフェノールの一種で美容、健康、ダイエットに凄く効く成分なんです。
ですが、ポリフェノールという成分は天然素材の「染め物」にも利用されるほどで、多少の水分や洗剤等では落ちない強い色素なのです。
これからお酒の席も増える季節ですし、もし、デリケートな透け感アイテム に赤ワインをこぼしてしまったらどうしましょう。
2017-2018のコレクションのトレンドはどのブランドも透け感のあるブラウスやワンピースだそう。
各ブランドのコレクションをよく読んでみましたが、特に FENDI(フェンディ)の作品は、エアリーな素材を楽しむアイテムが多く出ておりました。
FENDI(フェンディ)の現在のレディースラインのデザイナーはカール・ラガーフェルド。
CHANEL(シャネル)のヘッドデザイナーも兼ねております。
84歳の彼を、私は、年を重ねてもクリエイティブにファッションを改革していく姿はファッションを楽しむのに年齢は関係ないんだよ、って言っているようで、パーティーやレッドカーペットに姿を現しているのをみると、勝手に勇気づけられています。
ところで、今期は私も透け感アイテムを重ね着して楽しんでいます。ただ、食べ物をこぼしたらどうしようって考えながら、お洋服を着用しています。
通常のクリーニング屋さんでは、ドライクリーニングを施し、戻ってくるだけ。
「クリーニングのコンシェルジュ」クレアンでは、ドライクリーニングでは、ワインのシミのほか、ペンのインク、ワキの下に汗ジミが、変色したシミまで丁寧に落とします。
【Emilio Pucci】エミリオ・プッチのワンピースの染み抜き作業
クレアンでは、まず、お湯のシャワーを掛けて、繊維をなじませませ、次に石鹸液をスプレーして石けん溶剤を全体的にスプレーして、なじませます。
(写真はエミリオプッチのワンピースです)
シミは漂白しますが、その前にブラッシングしてしっかりと汚れを除去しておきます、それから漂白です。
生地の色が抜けてしまうため、一般的にはシルク素材は漂白できません。クレアンではシルク用の特殊な漂白剤を用いた漂白技術を採用しております。
そして、変色した部分に、時間を掛けて漂白剤を歯ブラシで少しずつかけていきます。変化を観察しながらの作業なので、つきっきりの作業となります。自然乾燥後、シミ、黄ばみはすっかり消えたことを確認します。
クレアンのシミ抜きのポイントは、熱をかけないで、じっくり時間を掛けて作業しますので時間と手間がかかります。
熱をかけると、漂白のスピードが上がり早く作業が出来ますが、その分失敗するリスクも高まるのです。漂白されていく変化をじっくり確認しながら作業するのが”漂白のコツ”です。
機械に頼り、効率的に作業を行うことでは完全な染み抜きはできないのです。
クレアンではお客様に熟練した丁寧な技術で作業していることを実感していただくため、日々、手間暇かけて作業しております。
また、使いたい、お客様にそう思っていただくためにお洋服のメンテナンスは心をこめて行っております。