シルク素材のこと、知っていますか?-3-

シルクの謎その1・どうして夏は涼しくて、冬は温かいの?

シルクはいろんな晴れ着にも使われていますが、見た目がゴージャスでキレイなだけではなく、その実用性には目をみはるものがあります!

2の記事で書いたように、シルクは、夏は涼しく、冬は温かい、とても不思議な性質を持っている便利な布です。

それはいったい、どうしてなのかを解説いたしましょう。

シルクのくつ下は、末端冷え性の人にとても良いと聞きます。

末端冷え性とは、寒い季節や冷房の効きすぎた部屋で、手や足だけが冷えてしまう症状のこと。

そういう人には、シルクの5本指ソックスと綿やウールのくつ下を何枚かかさねて履くなどの「冷えとり用のくつ下」がとても効果的だというのです。

この記事の筆者の身近な人からも、「シルクなどのくつ下を何枚かかさね履きすることによって、深刻なカラダの冷え症状が改善されて、真冬の暖房の設定温度を低くすることができたり、体調を崩すことがなくなったよ~」という声も聞きます。

シルクは、さわってみると布地としては薄手でとても軽い素材。

なのにどうして、しっかり熱を守ってカラダをあたたかくキープしてくれるんでしょう?

逆に夏場は、シルクのブラウスやシルクのワンピースなどを着ると、そのサラサラとして涼しい着心地に驚きますよね。

「シルクが夏涼しくて、冬は温かい理由」としては、シルクの持つ「吸湿性」が大きなキーポイントである、と言えるのです。

シルクの繊維は、三角形の構造でできています。その三角形が何層にも重なり合って、シルク繊維を形作っているのです。

その重なり合った三角形の繊維のスキマは、構造として、とても「吸湿性」がよい性質を持っていて、汗を吸ってくれる特長があるのです。(シルクは、綿素材の1.5倍も吸湿性があるとか!)

洋服やくつ下のシルク生地が吸湿性に優れていると、どういうことが起こるかというと、肌表面の温度を一定の温度にずっとキープしてくれるのです。

夏、汗をだらだらかいてしまうような暑いときには、汗を吸って服の外に水分を発散させてくれて、体感温度を下げてくれます。

逆に、真冬の寒いときには肌表面の湿気を吸収し、湿度を保つことにより熱が逃げずに体温を一定に保ってくれる(繊維のスキマに湿気と熱をためてくれる)ので、シルクの肌着やくつ下の内部はずっと温かい、というわけなのです。

人間がそういう便利な布を作ろうとして、計算して人工的に作ったわけではなく、天然のものでできたシルクにそんなスゴイ機能性が備えられているなんて……。

どんなに人間の知恵が発達して、宇宙服に使われるような化学繊維や人工の素材がつくられたとしても、それをあっさりと超えてしまうような天然のもののパワーには、驚かされるばかりです!

シルクの謎その2・どうしてシルクはツヤツヤしているの?

シルクのスカーフを手にとってみたことがありますか?

ブランド物などの良質なシルクスカーフは、すべすべとした肌触りが心地よく、表面には美しい光沢があるのが大きな特徴。

シルク生地の種類としては、「シルクサテン」がそんな光沢のある布地です。

「シルクの布」と聞いて一番に思い浮かぶのも、シルクサテンではないでしょうか。

シルクサテンはツヤツヤな見た目がゴージャスで、とても高価で贅沢な布地です。ウェディングドレスや高級服にも使用されていますね。

さて、そこで質問です。

シルクには、なぜ、ツヤツヤな光沢があるのでしょう?

その答えとしては、ひとことで言ってしまえば「シルクの繊維の構造によって、キレイな光沢がうまれる」ということです。

詳しく解説しましょう。

ツヤや光沢というものは、光をどう反射するのかによって決まるそうです。

シルクは、蚕が作ってくれた繭が原料です。その繭にはさまざまなタンパク質が含まれていて、そのなかには「フィブロイン」というタンパク質があります。

その「フィブロインタンパク」の構造は、層のようになっていて、光をさまざまに反射するのです。

シルク繊維の内側の複雑な構造も、光の反射に役立っています。

前章でもふれましたが、シルクの内部は三角形が重なり合って繊維として成り立っています。

その構造自体にもプリズム効果があって、ツヤツヤの豊かな光沢をうみ出しているということなのです。

そもそも構造じたいが光を反射しやすいから、キレイなツヤと光沢がうまれる、なんて、シルクにはなんだかすごい秘密があったんですね。

天然の蚕の恵みであるシルクですが、ツヤツヤでゴージャスな見た目すらも、ひとが人工的に作り出したものより美しい、という最強の素材なのでした。

シルクの謎その3・シルク染物が多いわけ

シルクには、染物や染織物が多いと思いませんか?

シルクの染物スカーフ/ストールなども多く流通しています。また、世界各国の民族衣装にも、たくさんシルクを染めたものが存在していますよね。(インドのサリーや日本の着物など)。

それもそのはず。シルクは、さまざまな染料に美しく染まるという非常に便利な性質をもっているのです。

その理由としては、やはりシルクの原料に秘密が隠されています。

シルクの原料の繭はさまざまなタンパク質が含まれている(シルクプロテイン)、ということはもうお分かりだと思います。

その繭に含まれるタンパク質こそが、シルクが染まりやすい理由です。

成分がたくさんのタンパク質で構成されたシルクだからこそ、草木染めなどの天然の染料でも染まりやすいということなのだとか。

確かにシルク(絹)の衣類には、「よくここまで複雑な図柄に染め上げられたなあ~」、と言いたくなるほど見事なものがありますよね。

正絹の振袖などはその代表格。

あれが綿や麻などのほかの素材だったら、あんなに鮮やかに緻密に染め上げることは、きっと不可能なのでしょう。

実際に、綿や麻の着物は単純な図柄のものが多い気がしますね。

知れば知るほどおもしろくて、いろんなすごい仕組みが隠されているシルク。

この第3弾の記事では、シルクのいろんな謎について解説しました。

続きの記事では、「シルク製品の取り扱い方について、実際のところはどうすればいいのか」をお教えいたします!

「いまなお、珍重される布。シルク(絹)について、どれくらい知っていますか?4」に続きます。

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